福井県大野市

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たびよみ

越前大野の秋の二大味覚!うまさの秘密は「在来種」
福井県・大野市

※この記事は2018年旅行読売11月号に掲載されたものです。

北陸の小京都・越前大野。秋風吹く城下を巡り、人の手で代々受け継がれてきた“在来”の食材を堪能する。とっておきの秋旅を楽しみたい。

清冽な地下水でそばを引き締める

福井県の東部に位置する大野市は、日本百名山の荒島岳をはじめ、1000メートル級の山々に囲まれた盆地。昼夜の気温差が大きく、そばの栽培には適した気候風土を持つ。ちなみに福井県はそばの生産量が全国4位だが、そのほとんどは品種改良のされていない在来種だ。それは代々地域の人によって受け継がれてきた希少価値の高い固有種である。中でも大野在来そばは、小粒で全体的なバランスが良く、豊潤な香りと粘りがある。「そば通」をうならせる逸品だ。

そばの旨みを感じられる「おろしそば」

また、大野市は名水百選の「御清水」や平成の名水百選の「本願清水」などの湧水地が点在する日本有数の“水の郷”。多くの家庭でも蛇口をひねれば美味しい地下水があふれ出す。大野の水は軟水だが、適度なミネラルを含む。この水が大野在来そばの味を 一 層引き立てる。 越前そばといえば「おろしそば」が定番。ネギとカツオ節が盛られ、大根おろしの入ったツユが添えられる。薬味の香りを感じながらそばをすすれば、噛むほどに懐かしいそばの香りが鼻を抜ける。12月頃から市内のそば店で新そばを味わえる。

地域で育むブランド里芋

水路に設けられた芋車は里芋を洗い、皮をむく。里芋の産地、大野市ならではの風景
ころ煮は後を引く旨さ

もう一つ大野市に秋を告げる名品がある。上庄地区で栽培される里芋「上庄さといも」だ。小ぶりだがしっかりとした肉質で煮崩れしにくく、もっちりとした独特の歯ごたえが特徴。大野在来そばと同様、在来品種で盆地特有の気候と水はけの良い土壌が里芋の栽培に適している。 2017年11月には、地域の農林水産物や食品をブランドとして保護する農水省の「地理的表示(GI)保護制度」の対象に登録された。この制度は生産方法や生産地などの特性が高い品質に結びついているものを知的財産として登録、保護するもの。つまり、「上庄さといも」は唯一無二の独自のブランド。いまや全国から取り寄せが殺到するほど、そのファンは多い。 料理法は、醤油とみりんで甘く煮込んだ「ころ煮」や、醤油で煮込んだ里芋を入れて炊く「いも赤飯」、もち米に混ぜ込んでつくる「いもぼた」、野菜たっぷりの「のっぺい汁」など様々だ。城下の風情とともに大野市が誇る秋の二大味覚を堪能したい。

【大野市までのアクセス】
列車=越美北線越前大野駅下車/車=北陸道福井ICから26キロ

【問い合わせ】
大野市商工観光振興課観光振興室/電話0779・66・1111