佐賀県伊万里市・有田町

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たびよみ

ぶらっとローカル線で行こう
春の佐賀たび

※この記事は2019年旅行読売3月号に掲載されたものです。

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風光り、山笑う季節。ふっとローカル線に乗ってみたくなった。そこには焼き物の里や懐かしい趣の老舗で地元の人たちとふれ合える、ぬくもりの旅が待っていた。そして、旬の魚介においしい地酒と旅の思い出が広がった。

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松浦鉄道の旅

桜のトンネルを進む松浦鉄道(浦ノ崎駅付近)

松浦鉄道は有田駅から佐世保駅を結ぶ全長93・8キロのローカル線だ。石炭輸送と佐賀県の陶磁器輸送のため、鉄道が敷かれ、1988年に国鉄松浦線から今の松浦鉄道になった。

モノレールを除き、日本で最西端を走る路線としても知られる。のどかな田園風景、美しい山や海の景色が広がる北松浦半島をぐるりと約3時間で巡る列車旅だ。

有田焼の器を使用した駅弁「有田焼きカレー1800円」

有田でたっぷりと窯元巡りを楽しみ、駅構内で駅弁の「有田焼カレー」1800円を購入し、かわいらしい1両の気動車に乗り込む。有田駅を出発し、旅情あふれる無人駅に停車していく。伊万里焼の里、伊万里駅でぶらり途中下車する。

ブランド牛の伊万里牛で腹を満たした後、佐世保駅行きに乗車。伊万里駅から3駅目の楠久駅の近くに、「カッパのミイラ」をお祀りしている松浦 一 酒造がある。

線路沿いにはところどころに菜の花や桜が見られ、例年3月下旬から4月上旬にかけて、春の車窓に彩りを添える。特に浦ノ崎駅の周りには、線路の両側に桜並木があり、季節になると満開の「桜のトンネル」を列車が通り抜ける。

単線の鉄路は、カーブやトンネルでレールをきしませながらのんびりと進み、佐世保へと向かう。

有田の東端にある国の史跡。朝鮮からきた陶工・李参平(リサンペイ)が、17世紀の初めにここで磁器の原料となる陶石を発見し、有田焼産業が始まった。最近ではパワースポットとして話題。
1753年の創業と伝わる有田焼の窯元。約60人の職人を抱え、窯場の見学が可能。作品を展示販売するギャラリーや「古伊万里」を集めた資料館も併設。
有田焼陶芸家の指導で、ろくろ体験ができる。金〜日曜には、窯主自らが打つ、生粉打ち十割そばを堪能できる。手打ちそばが味わえる「ろくろ体験コース」は6480円(前日までに要予約)。
約2万坪の広大な敷地に有田焼の専門店22軒が集まる。日用食器、贈答品、高級美術品と多彩な陶磁器がそろう。レストラン、宿泊施設などもある。
アリタ セラ内に、2018年オープンしたレストラン&宿泊施設。客室は全10室。フラットタイプとメゾネットタイプの洋室などがある。食事は有田焼の器に盛り付けたフレンチが好評。
1825年築の旧犬塚家住宅を修理復元し公開している。江戸時代、陶器商人として繁栄した豪商の暮らしぶりがうかがえるとともに、古伊万里なども展示。
やまぐちパン 昭和元年(1926)の開業以来、地元・伊万里で愛されてきた自家製のパン店。香ばしくてふんわりとやわらかいコッペパンに手作りのクリームを挟んだパタークリームパンは140円。
伊万里川に臨む昔ながらの純喫茶。食器、カップ類には伊万里や有田の古陶磁器などを使うこだわりよう。A5ランクの伊万里牛がのった「伊万里牛の重箱御膳」2590円(要予約)がおすすめ。
松浦一酒造 創業1716年。カッパと伝わるミイラを水神様として祀る蔵の見学や、約10種類の試飲も可。インターナショナルワインチャレンジ2012でシルバーメダルを受賞した「大吟醸 松浦一」など。

長崎線の旅

地酒、カキ、カニなどグルメが楽しめる長崎線

旬の海の幸と日本酒造りが盛んな佐賀の地酒を楽しもうと、佐賀駅から長崎線に乗る。佐賀市街を抜け、列車は西へ進む。肥前山口駅に停車。ここから武雄温泉や有田に向かう佐世保線が分岐する。

この先、長崎線は有明海沿岸を縫うように走り、車窓右手には標高1000メートル前後の多良岳山系を見晴らす。有明海は大潮時の平均の干満差が約6メートルと日本で最も大きく、時間帯によって車窓から眺める海の表情も変わる。海産物の養殖が盛んで、ムツゴロウなど珍しい魚貝類が生息することでも有名だ。

肥前浜宿(肥前浜駅)を中心に、鹿島市内には六つの酒蔵が点在し、日本酒巡りが楽しめる。おいしい地酒の試飲ができるのも列車旅ならではといえる。

長崎線は旧長崎街道と並行して走る。昨今、鹿島市、太良町周辺は「カキ焼海道」として脚光をあびている。肥前七浦駅近くの道の駅鹿島に立ち寄り、カキ小屋で有明海産のカキに舌鼓を打つ。

多良駅では神秘的な海中鳥居を訪れ、大魚神社を参拝。SNSで注目を集めるスポットだ。列車旅の締めくくりは肥前大浦駅が最寄りの、たら竹崎温泉に宿泊。有明海沿いに9軒の湯宿が並ぶ。温泉につかり旅に疲れを癒やした後は、佐賀の地酒と名物の竹崎カニ(有明海でとれるワタリガニ)を堪能する。

有明海に面し、干潟展望館、季節の農産物や海産物を扱う物産館「千菜市(せんじゃいち)」などが立つ。3月中旬までカキ小屋を設け、有明海のスミノエカキや竹崎カキを炭火で焼いて味わえる。カキ1箱(10粒前後)で1000円。持ち帰りも可。4月にはミニ水族館を併設し、干潟で遊べる鹿島市干潟交流館がオープン予定。
有明海の海中に3本の赤い鳥居が並んで立っている。近くの大魚神社の鳥居で、干潮時には干潟の上にその全容を現し、近くまで歩いて行ける。
たら竹崎温泉 旅館鶴荘 宿の目の前に有明海が広がる。地元の竹崎カニが通年で味わえ、旬の地魚や手作りの総菜などが並ぶ前菜ビュッフェも好評。

「佐賀県タクシー観光」のススメ
鉄道の旅では、最寄り駅からタクシーに乗って観光するのもおすすめ。効率よく回れて移動時間が短縮できる上に、ときにはドライバーからの「とっておき」情報も。仲間がいれば、お得感も増す!
佐賀県観光連盟では、佐賀県内を「古代・吉野ヶ里エリア」「有明海・城下町エリア」「やきもの・温泉エリア」「玄海・海の幸エリア」と分けて、タクシー観光のモデルコースを設定。コースは希望に合わせてアレンジ可能。詳しくは下記(一社)佐賀県観光連盟のホームページの「佐賀県 タクシー観光 モデルコース」を参照。

【問い合わせ】
(一社)佐賀県観光連盟 電話0952・26・6754 https://www.asobo-saga.jp/

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