1月17日(水)
『パラダイスハーバー』と『フランダースベイ』のクルージング
午前中は、南極半島で最も美しいと言われているパラダイス湾(南緯64°51’西経62°54‘)周辺をゾディアッククルージングします。
アルゼンチンのブラウン基地とチリのビデラ基地があります。ブラン基地の周辺にはジェンツーペンギンが営巣していました。基地の裏の入江に流れこむ氷河は迫力あります。湾内は地衣類などが茂った場所もあり、そこでキバナウ、ナンキョクアジサシが子育て真っ只中でした。また、普段はここでは見られないというマダラフルマカモメが群れていました。
子育て真っ只中のキバナウの営巣地
ナンキョクアジサシも子育て中
このエリアでは珍しいというマダラフルマカモメ
午後はフランダース湾(南緯65°02’西経63°20’)をゾディアッククルージング。
小雪が舞うような天気です。ゾディアックボートで進んでいくと、ザトウクジラの群れが迎えてくれました。想像を超える頭数です。そこかしこで潮を吹きます。そして、泡の柱をつくって獲物を追い込むバブルネットフィーディングを見ることもできました。潜水する前におヒレの裏側の模様を見せるフルークアップ、体を横向きにして胸ビレをたたきつけるぺックスラップ、垂直に身体を持ち上げて顔だけ水面から出すスパイホップ、ブリーチングと呼ばれる大きなジャンプなど、ザトウクジラのたくさんの行動を目にすることができました。
大迫力のザトウクジラ
そして、戻ってから希望者でポーラプランジ(極地飛び込み大会)が開催されました。小雪舞う中、30名もの方がチャレンジ。ハーネスを付けていざという時も安心。添乗員もチャレンジ!(カナヅチなので一人だけ救命胴衣着させてもらいました)海の中はそんなに寒さを感じませんが、しょっぱーい!海から梯子で船に戻る時に一気に寒さが!すぐにバスタオルを被って、自室のシャワーへ。飛び込みをされた方には記念賞のワッペンがもらえます。是非皆様もチャレンジしてください!
ポーラプランジ(極地飛び込み大会)南極の海はどんな感じ?!
1月18日(木)
『ルメール海峡』と『ボーゲン湾』
早朝、南極半島で最も雄大だと言われる「ルメール海峡」を遊覧する予定でしたが、なんと海峡の入口まで行くと、そこにはたくさんの氷が航路をふさいでしまっていて、安全な航行が約束されないため遊覧は中止。険しい岩山が切り立ってできている海峡入口の風景はとても威厳で、全長11km、幅1.6km~最小のところで800mという海峡の中を遊覧できなかったことは本当に残念でした。
岩壁と雪が荘厳な雰囲気の海峡入口。氷で入口を塞がれている。
それでも大自然に抗うことはできません。これも冒険の一つです。
さらに、午前中は本来であれば上陸観光が計画されていましたが、なんと外の最大瞬間風速は100m?!というアナウンス。ということで午前中の船外活動は中止となりました。代わりに操舵室の見学なども行われました。実際の操舵室の中を見ながら説明を聞くまたとない機会になったかと思います。
操舵室の見学
そして午後は、この南極クルーズでの最後の船外活動です。風が強い中、船外活動ができそう場所を見つけてもらうことができました。
「ボーゲン湾」という湾の中です。周辺は山に囲まれていて風は遮断されています。氷河と氷の白と青の世界がそこに待っていました。氷をかき分け進んでいくゾディアックボート。氷で動けなくなってしまわない?と少し不安になるくらい進んでいきます。
ボートのエンジン音と氷をかき分ける音。青と白の世界
氷山に寝そべるアザラシも、なんか珍しいものが来たなぁと目を開けてこちらの様子をうかがいます。
船が進む音、氷河が流れ落ちる音、エクスペディションスタッフのトランシーバーの音、エンジンを切るとボートと氷がぶつかる音、とても音に敏感になる場所でした。そして最後の船外活動にふさわしい南極らしさを味わうことができました。途中、エクスペディションスタッフが海に浮かぶ氷の塊を拾い上げ(力持ちじゃないとできないです)、船に持って帰ります。
南極の氷
今夜は南極の氷でウィスキーナイトです。
ウィスキーナイト 南極の氷のはじける音を聞きながら乾杯
添乗員日記担当