1月25日(火)
ハンメルフェスト
世界最北の不凍港、クバレイ島西岸に位置するハンメルフェストに約1時間の寄港です。ヨーロッパに不凍港である事は大変重要なので、船舶の出入港が多いのも繁栄に欠かせない理由の一つ。ハンメルフェストは、沢山の魚肉や魚油、加工、船舶修理などで栄えた賑やかな町でした。今では、石油の精製を行っている科学コンビナートの施設で繁栄し、メイン通りでは、賑やかなショッピングストリートが出来上がり、人々の賑わいをお客様にお感じ頂けました。途中、スーパーマーケットを見学しましたり、ハンメルフェストの観光案内所にて、白熊のオブジェに遭遇したり、その土地オリジナルのマグネットや絵皿をお求めになられたりと、地元の方々と同じように趣くままに歩いて頂き、その土地にとけ込まれたようでした。夕食前には、トロルフィヨルド号の機関士による、漁師の縄の結わい方の講習がありました。簡単そうで、どこから入れてどこから引っ張れば、解けない結わい方、正しい結わい方なのか、皆様必死に、お手本の先生に見入っていらっしゃいました。出来るまでお時間がかかりましたが、良いご経験になられたのではないでしょうか。沢山のお写真をお撮りしました。
1月26日(水)
ローフォーテン諸島
本日は、ローフォーテン諸島の美しい島々の景観をご覧頂くバスツアーに皆様をご案内しました。真っ暗の朝8時、トロルフィヨルド号はローフォーテンの北の玄関口、ハシュタに到着しました。かつてバイキングの港があり、海沿いに色とりどりの家が並びます。中世に創建されたトロンデネス教会では、神父様が、皆様を歓迎して下さり、皆で賛美歌を歌いました。750年前に建てられたその美しい教会は、深々と降り続く粉雪が包み、早朝の暗闇にひっそりと輝いていました。
ローフォーテン博物館をご見学後、バスはいよいよ険しい岩山が連なるローフォーテン地帯へと走りだしました。氷河に挟まれた険しい断壁を持つ山々は、昔、トロルという妖精が住んでいたと言われています。静かに佇む小さな家々を見守るように、斬りだった山々がどっしりと構えています。その風景は冬の寒さの厳しい中で力強く、又、穏やかな心を持って暮らす人々の心を私たちに伝えるようでした。ハシュタのはずれから、ヒンオイヤ島のフィスネスまで、フェリーで20分、バスにご乗車頂いたままご乗船。カフェテリアにてカフェタイムです。コーヒーや紅茶、ケーキがサービスされ、和やかな雰囲気に包まれました。再びバスは、ヴェストローレン諸島奥地へ。流れるような大小続く白銀の山々とフィヨルドが皆様を迎えてくれました。あまりの美しさに、涙されるお客様もいらっしゃいました。最終目的地ソルトレンでは、少し遅れて到着したトロルフィヨルド号が雄大に港に入りました。その姿を目の前に、沢山のお写真をお撮り頂きました。風の無い中で、粉雪がつま先に「サクサクッ」と優しく散る感触は、忘れられない時間となったのではないでしょうか。トロルフィヨルド号は、皆様の笑顔を乗せて、再び走りだしました。
1月27日(木)
北極圏通過日
いよいよ、北極圏を抜け出し、再び南下する日となりました。目印となる地球儀のモニュメントは、アークティックサークルと言われ、北極圏の境を示しています。行きは早朝7時過ぎにご覧頂きましたので、大変真っ暗でしたが、本日は、午前9時を過ぎ、明るい中でお写真をお撮り頂く事が出来ました。天候は曇り、時雨れている薄暗い中でした。しかし、最東端のキルケネスを巡り、再びこの地に戻ってきた広大な大自然を感じさせるものでした。風が吹く9デッキのオープンデッキでしたが、皆様、北極圏通過セレモニーにご参加。スプーンに鮫の油を一口と、ストロベリーワインを一口飲み、お祝いしました。スプーンは、フッティルーテンの北極圏通過の祝いスプーンとして、ご記念にお持ち帰り頂きました。
1月28日(金)
トロンハイム
トロンハイムへ再び戻ってきたトロルフィヨルド号は元気良く早朝7時に寄港しました。ご希望のお客様と、市内へウォーキングに参りました。夜明けの9時には、まだ程遠い時間帯でしたが、氷の張る道を避けながら、市内までさわやかに歩きました。ニーダロス大聖堂へ徒歩にて向かうのもとてもいいねと、好評でした。道沿いの灯りがキラキラと瞬き、終着駅のトロンハイムをロマンチックに彩っていました。下船を目の前に淋しい想いを胸に、本日は最後の一夜。ご夕食では、皆様でベルゲンに無事に戻る日を記念し、皆様で「スコール!!」と乾杯。ノルウェー語での「かんぱーい!!」はすっかり皆様に定着し、大変賑やかな夜となりました。又、本日お誕生日を迎えるお客様がいらっしゃり、ノルウェー語でのお誕生日ソングを歌いながら、レストランスタッフと共に登場しました。ノルウェーの旗を振りながら、歌う歌はとても和やかで温かな気持ちでいっぱいになりました。オーロラは、1月22日のトロムソの夜一度きりの出現でしたが、あの日オーロラをご覧頂いた際の笑顔が、ご夕食の際にも沢山みられとても嬉しく思いました。一夜のオーロラは皆様の心に深く残る、かけがえの無い時間となったのではないでしょうか。皆様の笑顔を乗せて、トロルフィヨルド号は軽やかに走ります
1月29日(土)
ベルゲン
最後のフッティルーテンの船旅の日となりました。ノルウェーの人々の生活の足としての役割も担うトロルフィヨルド号。小さな港でも必ず、数人は上下船を繰り返し、貨物や物資の積み下ろしが印象的でした。北極圏の極地においても「こんなところでも人がおりるんだねー」とおっしゃったお客様の声が今でも忘れられません。新造船のトロルフィヨルド号ですが、地元住人にも愛されている大切なお船。フッティルーテンとは、ノルウェー語で「最初のルート」、島と島とを結ぶ最初の交通手段という意味。ノルウェーの大自然を、フッティルーテンクルーズにて、沢山の港をご覧頂いた皆様の前に再び、ベルゲンの風景が戻ってきました。空には、久しぶりの太陽の明かりが光り、皆様を迎えてくれました。ホテル到着後には、すぐ近くのフロイエン山やスーパーにお出かけ頂き、思い思いにお歩き頂きました。ご夕食では、皆様ご一緒にテーブルを囲み、賑やかな夜となりました。
1月30日(日)→1月31日(月)
ベルゲン⇒アムステルダム⇒成田
ベルゲン市内から空港まで、30分。日曜日の道は、空いており、スムーズに空港に到着しました。限られたお時間ではありましたが、皆様にはお買い物を楽しんで頂き、余裕を持って搭乗口に進みました。ベルゲンから約1時間40分のフライトにてアムステルダムに向かいました。大変遠い搭乗口を確認し、成田空港行きを確認。見る事の無かった日本のご搭乗のお客様を目の当たりにし、日本に向かうのだなと、改めて実感されたお客様もいらっしゃいました。あっという間にやってきたお別れの場、寂しい気持ちで一杯になりました。皆様の温かい元気なお顔が忘れられません。笑顔で、お礼をお伝えし、「又、お会いしましょう」と皆様お互いに言い合っていましたね。又お会い出来る日を心より楽しみに、どうぞお元気で、お過ごし下さいませ。この度は、誠に、ありがとうございました。
添乗員日記担当