6月12日(月)
横浜
出発時はあいにくのお天気でしたが、横浜港大黒埠頭客船ターミナルに雄大に停泊する大型客船「MSC ベリッシマ」を見て、その大きさに圧巻されたのではないでしょうか。13時ごろから順番に始まったご乗船手続き。沢山の乗船スタッフが通路に並び、迎え入れて下さいました。確認事項の書類、お顔の写真の取り込みを済ませ、クルーズカードをお受け取り頂き、東京タワーを横にしたくらいの大きさ:全長315mの船にいよいよ乗船です。煌びやかなアトリウム、迷路のように入り組んだ客室への廊下、プロムナードではたくさんのお店が並び、船の中にいることを忘れてしまいそうな雰囲気に目を移しながら、船内のピアノの生演奏に耳を傾けた方も多かったようです。
避難訓練は、客室テレビで説明を聞いたのち、各集合エリアでカードキーをスキャンして頂き終了。迷路のように入り組んだつくりの客室階で迷子になりながら、お部屋でお荷物の整理や、オープンデッキをお歩きになられる等、思い思いにお巡り頂きました。さっそく、マーケットプレイスビュッフェレストランでお食事や軽食を楽しまれているお客様も多かったようです。さぁ、皆様のMSCベリッシマでの船旅が始まります。
ゆっくりと滑り出るように出港したお船は、静かでびっくりされていましたね。ご夕食、イル・チリエッジョレストランにて、本当にこれが無料なのかを確認しつつ、にぎやかなお食事を前に、にこやかな会話が弾んでおりました。夜の航海は台風の影響で風や波が強く、揺れを感じた方が多かったのではないでしょうか。
6月13日(火)
神戸
船は神戸に向けて運行中です。今回は3300名様ほどのお客様が乗船していて、300名様ほどが海外のお客様だそうです。今までの運航はチャータークルーズだったため、今回は、初めて外国の方が乗船したようです。船内にいるだけで外国気分を味わうことができたのではないでしょうか…。
午前・午後と船内見学ツアーを二回実施し、多くの方々にご参加いただきました。なかなか足を運ぶことのないエリアへの見学もお楽しみいただけきました。ジム・スカイラウンジ・アクアパーク・キッズランドなど、大人も子供も楽しめる施設がたくさんあることが、この船の大きな魅力です。プロムナードのショッピングエリアではスペシャリティレストランやジェラートショップ、ショコラカフェなどが並び、まるで一つの街のようでした。アートクラフト、ダンス教室、クイズ大会など、船内ではさまざまなイベントが行われていました。特に、現金が当たるビンゴ大会は皆様大きな夢を抱いて参加されていたようです。
16:00に初寄港地:神戸に到着です。【MSCベリッシマ】が神戸港に寄港するのが初めてだったため、多くの方が港でお出迎えをしてくれたのが印象的でした。生演奏や風船の演出をはじめ、船が見えてからずっと手を振ってくれた多くの方も、この船の大きさに圧巻されていましたね。神戸では一泊停泊なので、夜遅くまで観光を楽しんだり、ゆっくり船内で過ごされたり、思い思いの時間を過ごしていただきました。ショーの予約も各自行い、船内では多くの方がマジックショーに足を運ばれていました。船から見える、美しい神戸の夜景が今でも目に焼き付いています…。
6月14日(水)
神戸
早朝から曇り空で心配しておりましたが、雨にあたることなく観光できた方が多かったのではないでしょうか。オプショナルツアーに参加したり、シャトルバスで出かけたり、ポートライナーを利用したり…神戸港は駅が目の前にあり、三宮も2駅で行くことができるため、多くの方が観光に出かけていました。船は昨日方の停泊の為、朝早くから遅くまで、時間を気にせず楽しむことができました。
いよいよ、神戸を出港し、広島へ向けて出発です。神戸では20:00の出航にもかかわらず、多くのお見送りのお客様が見守ってくれていました。「ありがとう」「またね」といった言葉を交わし、神戸の美しい夜景も楽しみながら、雄大にゆっくりと動き出しました。
6月15日(木)
広島
8:50ころ水先案内人が海上で乗船し、瀬戸内海の航行が始まりました。神戸から瀬戸内海を通り移動すると思われている方が多かったようですが、瀬戸内海は漁業優先の為大型船の通行が難しく、また、この船は大きすぎるので橋の下を安全に通ることができないため、遠回りでの航海でした。さすが瀬戸内海、と言わんばかりの美しい島々を眺めながら皆様カメラを向けられていましたね。島と島の狭い間の航行は大海原とは一味違い、迫力がありました。港に入る前には、牡蠣の養殖エリアや、厳島が眺望でき、圧巻でした。
今回の広島も【MSCベリッシマ】は初寄港でした。撮影用だと思われるヘリコプターが船の上をぐるぐる回り、海上では歓迎放水が行われていました。船は15:00に寄港し、到着を待ち望んでいたお客様が長い列を作り、下船していました。スコールが降りましたが皆様大丈夫でしたでしょうか…?広島は22:00の出航だったため、お好み焼きを食べたり、夜まで観光を楽しんでいただけたようです。船内レストランは、驚くほどお客様が少なかったです。
出港が遅いのはこの日が最後だったので、MSCベリッシマの夜景を見ることのできる最後のチャンスでした。皆様美しい夜景を見ることはできましたでしょうか…?
6月16日(金)
終日航海日
いよいよ終日航海日です。海上での1日を思い思いに過ごしていただきました。ついつい食べ過ぎる日々が続くので、ストレッチやダンスレッスンに参加されている方が多かったようです。実は私もデッキ16にある綱渡り【ヒマラヤンブリッジ】に挑戦してきました!命綱があると分かってはいるものの、紐1本の上を歩くのはスリル満点でした。あまり余裕はなかったですが…大海原を独り占めしているような不思議な感覚にもなりました。お風呂気分でジャグジーをお楽しみいただいた方もいらっしゃったようでした。
夜は初めてのエレガントナイトでした。夕食時に合わせて、皆様素敵なお召し物に着替えていらっしゃいました。船長と写真を撮ったり、スピーチを聞いたり、特別な一夜となったことでしょう。
本日はカルーセルラウンジで行われる有料ショー【ミュート】をお楽しみいただいた方も多かったようです。シルクドソレイユを彷彿させるアクロバットショーが間近に観れるので、ハラハラドキドキしながらお楽しみいただけたことと思います。
無料ショーが日替わりで行われるロンドンシアターでは本日限定:乗組員が行う「クルーガットタレントショー」がありました。特に客室清掃係の女性の歌う「高橋真梨子」が人気だったようです。ボイスパーカッションも本格的で見ごたえありましたね。
明日はいよいよ韓国:済州島に寄港します。
6月17日(土)
韓国 済州島
朝7時、時差の無い韓国:済州島に入港しました。雲一つない青空が広がり、私たちの寄港を待ってくれていたかのような天気でしたね。下船口から、長い動く歩道を進んでいただき、ターミナルへ。各自で入国審査をお済ませいただき、いざ、上陸です。唯一の海外寄港地ということもあり、タクシーやオプショナルツアー、有料シャトルバスで皆様お楽しみいただいたようです。半袖でも暑いくらい真夏を思わせる陽気だったので、お疲れではなかったでしょうか。世界遺産の城山日出峰や洞窟など、済州島の観光地を存分にお楽しみいただけたことと思います。市場でサムギョプサルやチゲをお召し上がりいただいた方もいらっしゃったようです。私も日本とは異なる異国文化に久しぶりに触れ合うことができ、とてもうれしく感じました。
今日の夜は【イタリアンナイト】です。お持ちの方は、赤・白・緑を基調にお召し物をお選びいただきました。ダイニングディナーではイタリアンカラーに身を包んだスタッフが、ダンスを踊っていましたね。お客様も一緒になって踊っていたのが印象的でした。外国船ならではの雰囲気をお楽しみいただけましたでしょうか。
夜のショーでは、圧巻の歌声をお楽しみいただきました。中でも、外国の歌手の方が一生懸命覚えて歌ってくれた【恋するフォーチュンクッキー】【世界に一つだけの花】がとても印象的でした。
6月18日(日)
鹿児島 日本入国
いよいよ最後の寄港地:鹿児島に到着です。昨日の天気が嘘のような大雨。外出をやめて船内を楽しまれた方も多かったようです。
港からはすぐそばに佇む桜島が見えるはずなのですが、あいにくのお天気で見えませんでしたね。スタッフから聞きましましたが、「この船が鹿児島を訪れるときはいつも雨」だそうです。雨のせいで市内の道路も混みあい、タクシーに長い行列ができていました。有料シャトルバスで移動された方はアーケードでのお買い物を楽しまれたようです。港では13:00頃からいくつかのお店が鹿児島名物を販売しており、皆様たくさんのお土産をお買い求めいただけたようです。手作りの看板や旗を持参し、お出迎えとお見送りに駆けつけてくれた【船オタク】の方々もいらっしゃいました。毎回必ず未届けに来ているそうです!こういう出会いも船ならではです。
夜は【ホワイトナイト】。皆様白を基調にした洋服をお召しになり、この日限定のスイーツブッフェや、プロムナードでのパーティナイトを楽しまれていました。初めは恥ずかしかった方も多かったようですが、一回踊りだすと皆様我を忘れて楽しまれていたようです。
日本人で司会をしているノリコさんおすすめの【ネイチャー】のショーも見ごたえがありました。生命の誕生などを中心に、昆虫から動物まで表現していました。大きな象が出てきたときには驚きました。感動して、同じショーを2回観ている方もいらっしゃいました!
6月19日(月)
終日航海日
最後の終日航海日となりました。昨日とは打って変わって青空が広がり、夏日となりました。毎日船が移動するため、天気が大きく変わるため、外に出るまで何を着たらいいか難しかったのではないでしょうか。あっという間ねーと、口々におっしゃる皆様。下船のご案内の用紙や明細書のご確認をされる姿に寂しい気持ちで一杯になりました。午前に行われた【下船説明会】も多くのお客様が参加されていました。下船の専用ネ-ムタグをおつけ頂いたり、税関申告書を記入いただいたりと、あっという間のお時間となりました。しかし、皆様お上手に時間をお過ごしになり、夜にはしっかりとドレスアップされ、最後のエレガントナイトをお楽しみいただきました。じっくりとメインレストランでのお食事をお楽しみ頂いたのではないでしょうか?毎日私たちの料理を作ってくれていた裏方スタッフや、シェフも出てきてくれ、多くの方にサポートいただいていたのだと実感しましたね。
皆様「慣れてきた時に下船ね…」とおしゃっておりました。初日は私もキョロキョロして前なのか後ろなのかもわからず迷子になりそうになっていましたが、スムーズに船内を移動されている皆様の姿はとても堂々とされていました。
最後のショーでは船内のスタッフも舞台に上がり、この旅の締めくくりの挨拶をされ、胸が熱くなりました。
6月20日(火)
横浜下船
下船日。長いようで短かった9日間、心名残惜しく、下船時刻を迎えました。この度の下船はデッキごとお時間が決められてのお帰りとなります。混雑防止の為、添乗員は乗下船口に立てず、船内新聞でのご挨拶となりました。
早めにお部屋を開けていただき、思い思いの場所でご朝食をお召し上がり頂き、別れを惜しむようにオープンデッキをお歩き頂いたお客様も多かったようです。プロムナードで流れる別れの映像を見て、より寂しさが増しました。
ベイブリッジを望みながら横浜港に無事到着し、パスポートと税関申告書をご用意頂き、順番に下船頂きました。シャトルバスや自家用車でお帰りのお客様、タクシーで、お帰りのお客様、外は暖かな陽気に包まれていました。初日の大雨が噓のようでしたね。皆様の温かい元気なお顔が忘れられません。
船内で合えば気軽にお声をかけてくださり、新聞で少しずつ自己紹介をしていた内容について、お話しくださってとてもうれしかったです。毎日お読みいただき、ありがとうございました。この旅日記を書いている間も懐かしく、また皆様にお会いしたい気持ちでいっぱいです。またお会い出来る日を楽しみにしております。どうぞお元気で、お過ごし下さいませ。この度は、誠に、ありがとうございました。
添乗員日記担当