.9月17日(水)
成田→ローマ→ベニス
さあ、皆様の浪漫の旅がスタート!ご旅行をお申し込み頂いてから、この日を楽しみに首を長くしてお待ちにな
っておられたことでしょう。成田空港よりアリタリア航空785便にて大空へ飛び立ちました。これから始まる未知の世界との出会い、そして新たな人との出会いに胸が弾みました。イタリアの首都ローマの空港でまず私たちを出迎えてくれたのは想像通りの陽気なイタリア人。異国の地に着いたことを実感しながら飛行機を乗り換えて、ロマンティックな水の都ベニスに無事到着し、自然と肩の力が抜けて安堵の眠りにつかれました。
9月18日(木)
ベニス(イタリア)
朝からスリル満点のモーターボートに乗り、サンマルコ広場に到着。憧憬のドゥカーレ宮殿やサンマルコ寺院をご覧になり、お昼は名物のイカ墨パスタでお歯黒体験されました。その後、豪華客船が待つベニスの港へ。伝統と格式に彩られたクィーン・ヴィクトリアを見つけた時には心地よい緊張感に包まれ、乗船手続きをしてますます気分が高まりました。これから始まる洋上の旅に期待を膨らませながら、空を流れる景色や洋上からベニスの町をご覧になられました。かつての旅人たちの喜びと悲しみ、出会いと別れと思い出がたくさん詰まったベニスの港を出港。今回は、どんな素晴らしい出会いが私たちを待っていることでしょう。
9月19日(金)
終日航海(アドリア海)
朝、目覚める歓びを感じながら1日をスタート!本日はアドリア海を終日航海。お部屋から一歩外に出ると、モダンな中にもクラッシックな香りを漂わせるクィーン・ヴィクトリアの中にいるという実感が湧いてこられたのではないでしょうか。船内を散策されたり、イベントに顔を出してみられたりとそれぞれの時間を過ごされました。今夜はフォーマルナイト。エレガントな雰囲気を漂わせるレストランでスタッフが素敵な笑顔で迎え入れてくれました。シアターでは、華やかなダンサーとシンガーのショーがあり、至福の時間が流れ、心に潤いを与えてもらいました。
9月20日(土)
終日航海(アドリア海)
落ち着いた雰囲気の豪華客船の中で、豊かな時の流れを心ゆくまで満喫されました。船の中では優雅な時間を過ごし、港に着くと船を降りて見知らぬ文化にふれる・・・船旅ならではの醍醐味ですね。クィーン・ヴィクトリアの一流のシェフによる滋味溢れる食材をふんだんに使ったお料理の品々、きめ細やかな気配りがゆき届いたサービス、普段の生活では味わえない至福の時を過ごされました。一日の終わりを実感するロマンティックな絵になる風景。沈みゆく夕陽が空を真っ赤に染めて、何とも言えない味わいを醸し出し、その後、凛とした空気と深き静寂が海を包みこみました。
9月21日(日)
クサダシ(トルコ)
トルコの西部にある有数のリゾート地クサダシに寄港しました。ここでの観光は何といっても紀元前11世紀に建設されたイオニア人の古代遺跡エフェソス!古代の人々により「薔薇のように美しい」と称され、多くの著名人を魅了してきました。アレクサンドロス大王が憧れ、聖パウロが布教活動を行い、聖母マリアが最期の時を迎えた地。エフェソスの遺跡では、保存状態が良いことに驚かされ、人間の能力の奥深さを感じました。ローマ法王も訪問されたというキリスト教の聖地の一つ聖母マリア教会と聖ヨハネのお墓の上に建てられた聖ヨハネ教会では、神聖な気分に浸りました。
9月22日(月)
イスタンブール(トルコ)
世界で唯一アジアとヨーロッパにまたがるエキゾチックな街、イスタンブールに寄港しました。まず教会からモスクに変貌した神の知恵という意味のアヤソフィア、イスタンブールで唯一の6基ミナレット(尖塔)をもつブルーモスク、映画の舞台にもなりメドゥーサの首の柱がある幻想的な地下宮殿を観光しました。そして、約400年間オスマン朝スルタンの住居のトプカプ宮殿では、本物だけが醸し出す上質な空気を漂わせる宝石の品々の中でも、86カラットのダイヤモンドと光り輝くエメラルドで飾られているトプカプの短剣に感嘆の声を漏らしました。500年以上も昔からイスタンブールの商業の中心グランドバザールでは、異国情緒漂う空間を味わいました。夜ライトアップされた幻想的なモスクや旧市街の町並みの神秘に見入り、眠ってしまうのが惜しいくらい素晴らしかったですね。
9月23日(火)
イスタンブール(トルコ)
さまざまな歴史と文化が交差し、多彩な魅力が溢れる街イスタンブール2日目。船乗りの中でもファンが多く、憧れの港であるイスタンブールの絶景を目の前に、本日も異文化との出会いに胸が弾みました。オプショナルツアーでは、太陽をさんさんと浴びながら、ボスポラス海峡をクルーズし、トルコ人の太鼓判つきのヨーグルトを御賞味されました。出港後、オープンデッキやお部屋から身を乗り出し、ボスポラス海峡沿いのモスク・宮殿・豪華な家々などの眺めに釘付けになられました。陸路や空路では味わえない海からの絶景に感動し、時がゆったりと流れる別世界を御自身の肌で実感されました。
9月24日(水)
オデッサ(ウクライナ)
エカテリーナ2世が築いた「黒海に向かって開けたロシアの窓」オデッサに寄港しました。港からソビエト映画史上ナンバーワンとも言われるエイゼンシュタイン監督の「戦艦ポチョムキン」で有名なポチョムキンの大階段が見えました。豪華絢爛なオペラハウスでは、チャイコフスキーの代表作「白鳥の湖」をご覧になられました。華麗でいてしなやかな動きのバレーダンサーに釘付けになられ、本場のバレーを目の前に夢心地の気分に浸られました。今回のクルーズで最も感銘が深いイベントの一つでした。こうしてはるばる日本からウクライナまで来られた幸せをしみじみと感じられたのではないでしょうか。
9月25日(木)
ヤルタ(ウクライナ)
黒海に突き出たクリミア半島にある温暖なリゾート地ヤルタに寄港しました。オプショナルツアーでは、1911年に建造されたロシアの最後の皇帝ニコライ2世の由緒ある夏の離宮、リヴァーディア宮殿に行きました。そこで忘れてならないのが第二次世界大戦末期の1945年2月にイギリスのチャーチル・アメリカのルーズベルト・ソ連のスターリンがヤルタ会談を行った歴史的な場所だということ・・・宮殿に足を踏み入れた途端、いろいろな思いが交差し、とても複雑な気分になりました。その後、ウクライナのフォークダンスを見ながらお食事をして、午後からはロシアで当時最も裕福だったヴァロンツォフ伯爵の宮殿に行きました。ツアーの締めくくりは、崖に建つツバメの巣城の絶景を眺望しました。
9月26日(金)
終日航海(地中海)
本日は久しぶりの終日航海。朝からいたって波穏やかで、お昼前に黒海からボスポラス海峡をクルーズしました。陽射しを浴びながらイスタンブールの郷愁を誘う風景を眺めていると海風が肌に心地良かったですね。マルマラ海にぬけ大海原が目の前に広がった時には、イスタンブールとのお別れに名残惜しい気分になりました。さて、不思議なもので、船の中でよく顔をあわせる行動パターンがご自身と似ている方がおられませんでしょうか。たとえ言葉が通じなくても、笑顔を交し合えばそれで十分。日に日に笑顔で挨拶できる顔見知りが増えてきましたね。
9月27日(土)
ピレウス(アテネ)
サロニコス湾に面したギリシア最大の港湾都市ピレウスに寄港しました。ピレウスは紀元前5世紀にアテネの指導者テミストクレスによって外港が築かれて以来、古代から首都アテネの海からの玄関口として栄えてきました。オプショナルツアーでは、女神アテネに捧げられたパルテノン神殿で知られるアクロポリス、国会議事堂前の凛々しいギリシア人衛兵、1896年第一回近代オリンピックが行われたスタジアムなどをご覧頂きました。夕食前の読売オーシャンクルーズ主催のカクテルパーティーでは、ラウンジでグラスを傾けながら、お話に花が咲きました。
9月28日(日)
終日航海(イオニア海)
本日は終日航海で、格調とゆとりに満ちた船内にて心の贅沢や安らぎを感じられました。船内ではいろいろなイベントがあり、お菓子作りの実演ショーではペイストリーシェフの匠の技が披露され、食べてしまうのがもったいないくらいでまるで芸術のようでした。クルーズも終盤に近づき、今回のクルーズを振り返ると、気さくなイギリス人のキャプテンポールをはじめ、サービス精神旺盛なクルーやオフィサーが私たちのクルーズをより思いで深いものにしてくれましたね。フォーマルナイトでは、すべての乗客が船上のスターのようにスポットライトを浴びておられました!
9月29日(土)
メッシーナ(イタリア)
シチリアとイタリア本土を結ぶ玄関口メッシーナに寄港しました。港に接岸したタラップから満面の笑みを振りまきバスに乗り込みました。1908年の大地震から力強く立ち上がったメッシーナの町。一番印象的だったのは、ドゥオモ広場のユニークなからくり時計!ライオンや鶏の鳴き声は、遊び心一杯で訪れた人は必ずとりこになりますね。正午のからくり時計の演出にたくさんの観光客が童心に返ったかのように目を輝かせていました。午後、荷造りをする心境が複雑。本当に終わってしまうのかなぁ。やっと船生活に慣れてきたと思ったのに・・・。お世話になったクルーメンバーと最後のお別れの挨拶。1つ1つの縁・・・地球上にこんなにたくさんの人がいる中で、出会えて本当によかった!皆様出会いを大切にしましょうね。
9月30日(日)~10月1日(月)
チビタベッキア(イタリア)→ローマ→成田
いよいよ下船日。チビタベッキアに着岸!何度も後ろを振り返り、後ろ髪がひかれる思いでクィーン・ヴィクトリアと最後のお別れ。ローマの空港より、日本へたくさんの思い出と一緒に飛び立ちました。クルーズのご旅行の余韻に浸りながらの空の旅おつかれさまでした。皆様、お帰りなさい!黄金の国「ジパング」へ・・・。次の航海はいつでしょうか。また、新たな夢の世界が皆様をお待ちしています。それでは皆様お元気で・・・さようなら。
添乗員日記担当