
トルコはアジア大陸とヨーロッパ大陸の両方を国土に含み、「アジアとヨーロッパの架け橋」と呼ばれています。文化面でもキリスト教とイスラム教の影響を受け、独特の建築物が残されています。歴史的に日本との結びつきが強く、親日家が多いとされています。
1.トルコってどんな国?

カッパドキア遺跡群 画像提供:ピクスタ
トルコは西アジアと東ヨーロッパにまたがる国で、人口約8700万人、面積は78万平方キロメートルと日本の約2倍にあたります。東西に幅広く、日本と同じように四季がはっきり分かれています。夏は内陸部では35度を超えることもあります。冬は氷点下になる日もあり、服装などは防寒に気を付けましょう。イスタンブールは比較的温暖で、地中海沿岸は一年を通して15度前後と過ごしやすい気候です。首都アンカラやカッパドキアなど内陸部では夏は乾燥していて、冬は寒さが厳しくなります。時差は日本が6時間進んでおり、直行便で成田からイスタンブールまでの飛行時間は13時間です。言語はトルコ語が公用語ですが、観光地やホテルでは英語が通じます。
2. 国内には21もの世界遺産! そんなトルコの魅力とは?
アヤソフィア ⒸYTS
トルコのアジア地域・アナトリアは人類文明発祥の地と言われるほど古い歴史を持っています。多くの文明が生まれ、独特な文化を醸成してきました。国内に21の世界遺産があり、イスタンブール歴史地域やカッパドキア岩窟群などは特に有名で、多くの観光客を集めています。2024年の外国人旅行者数は6200万人を超え、世界でも有数の観光大国です。日本との交流が歴史的に深く、親日的な国として知られています。観光の見どころとしては世界遺産などの遺跡や歴史的建造物のほかにも、自然が生み出した景観や地中海、エーゲ海に面したビーチリゾートも人気です。オスマン帝国の隆盛とともに発展したトルコ料理は世界三大料理の一つとされています。
3.5大世界遺産巡りとその他のおすすめスポット
3-1.イスタンブール歴史地域
ボスポラス海峡・ディナークルーズ 画像提供:ニューミレニアム
イスタンブールは人口約1500万人のトルコ最大の都市で、ローマ帝国、ビザンツ帝国、オスマン帝国の首都だった町です。ボスポラス海峡を挟んでアジアとヨーロッパを結ぶ交通の要衝にあり、双方の歴史や文化の影響が随所に見られます。観光スポットは世界遺産に登録されている旧市街に集まっていますが、1~2日かけて見て回りたいところです。
イスタンブール観光の目玉とされ、「世界一美しいモスク」と呼ばれるブルーモスクは、正式名称が「スルタンアフメト・ジャーミイ」。内部の壁には16~17世紀に作られた2万枚超の青を基調としたイズニックタイルが敷き詰められており、窓に施されたステンドグラスを通して建物内が青い光で満たされることからその名で呼ばれています。直径27.5メートルの大ドームを中心に30を超えるドーム群から成っており、天を突くような6本の尖塔と相まって重厚な美しさを見せています。現在も1日5回の礼拝が行われており、イスラム教のマナーを守って見学するようにしましょう。
ブルーモスクと向かい合って立つアヤソフィアは古代ローマ時代に建てられた大聖堂です。オスマン帝国の時代にはモスクに改修され、キリスト教とイスラム教それぞれの特徴が見られる貴重な建造物です。アヤソフィアに近いトプカプ宮殿は、オスマン帝国の皇帝が暮らしていた場所で、現在は博物館として公開されています。中でも貴重な宝石などが収められた宝物殿は必見です。地下宮殿「バシリカ・シスタン」はビザンツ帝国時代に、周辺の宮殿に水を送るために建設された地下貯水池です。無数の石柱で支えられ、荘厳な雰囲気が漂っています。
旧市街では約4000軒のトルコじゅうたんや宝飾品、雑貨などの店舗が集まるグランドバザールもぜひ立ち寄りたい買い物スポットです。じっくり時間をかけて土産物を選びましょう。ボスポラス海峡を遊覧するクルーズもイスタンブールらしさを満喫できる人気のアクティビティです。
3-2.カッパドキアの岩石遺跡群
ギョレメ野外博物館 ⒸYTS
カッパドキアはトルコ中央部のアナトリア高原に広がる奇岩地帯です。凝灰岩が浸食されてできたキノコ岩やラクダ岩などの奇岩群による絶景が最大の見どころですが、弾圧を受けたキリスト教徒が隠れ住んだ洞窟内の住居や教会などの地下都市が残されており、天井や壁に描かれたフレスコ画も見ごたえがあります。洞窟ホテルに宿泊したり、熱気球ツアーに参加して上空から奇岩群を見渡したりと、カッパドキアならでは体験も楽しめます。
3-3.エフェソス
エフェソス遺跡 画像提供:クオニイグループトラベルエキスパート
エフェソスはトルコ西部のイズミル地方にあるエーゲ海に面したかつての港湾都市です。紀元前7世紀頃に建てられたアルテミス神殿は破壊や焼失を繰り返しつつ、紀元前323年に再建され、古代ギリシャ建築の中で最大級の建物として「世界7不思議」の一つに数えられています。現在は復元された石柱が1本残っているのみですが、ほかにセルシウス図書館やローマ劇場、聖母マリアの家などの遺跡があり、往時の繁栄ぶりを偲ぶことができます。
3-4.パムッカレ
パムッカレ(石灰棚) 画像提供:ピクスタ
パムッカレはトルコ語で「綿の城」の意味で、トルコ南西部の平原の丘にある温泉水が集まって形成された白い石灰棚です。現在はリゾート開発の影響で温泉が枯渇しつつあり、石灰棚に水が流れていないこともあるようです。温泉水プールの底に石柱が沈んでいる「アンティーク・プール」も人気を集めています。ローマ時代の温泉施設とみられる「ヒエラポリス」は浴場のほか1万5000人収容の劇場や凱旋門も残る都市遺跡です。
3-5.ブルサ
トルコ北西部のブルサは14世紀にオスマン帝国最初の首都が置かれた古都で、「オスマン帝国発祥の地」と言われます。公共施設・キュリエを中心にモスクやホール、学校などが築かれ、その後の各都市のモデルとなったとされます。ウル・ジャーミイやイエシェル・ジャーミイなどモスクも見どころです。ブルサ近郊のジュマルクズックはオスマン帝国初期の農村で、2階に出窓があるカラフルな家屋が連なる当時の風景が残されています。
3-6.その他のおすすめ観光スポット
エイルディル湖 画像提供:ニューミレニアム
5大世界遺産のほかにも、トルコには訪れたい観光スポットがたくさんあります。地中海沿岸の都市・アンタルヤは古くから港町として栄えました。遺跡やモスクなどの歴史的なスポットも多く残っていますが、最近では地中海の絶景を生かしたビーチリゾートとして注目されています。砂浜が美しいビーチ沿いにホテルやレストランが立ち並び、観光客でにぎわっています。地中海に近い盆地に位置する湖水地方も絶景が人気のエリアです。エイルディル湖とブルドゥル湖に挟まれたウスパルタは「バラとラベンダーの街」と言われる風光明媚な地域。リンゴやモモの果樹園も多く、自然に囲まれてゆったりと過ごせます。
トルコの首都アンカラは近代的な都市ながら、歴史的な観光地も多く見どころ満載です。トルコ共和国建国の父、アタテュルクの霊廟は現代トルコのシンボルといえる建造物。アナトリア文明博物館はヒッタイト人が紀元前18世紀頃に建国したヒッタイト王国時代の収蔵物が豊富なことで有名です。アンカラ城はアナトリア文明博物館の裏の丘に立ち、ローマ時代にビザンツ帝国が築きました。
4.グルメとエンターテインメントも楽しみ
シシケバブ 画像提供:ニューミレニアム
世界三大料理と称されるトルコ料理はどの都市や観光地でもリーズナブルな値段で楽しめます。肉料理のシシケバブやドネルケバブ、トルコ風ハンバーグのキョフテなどは日本人にも人気です。トルコを訪れたら本場のベリーダンスもぜひ観賞したいところです。ベリーダンスは古代エジプト発祥の舞踊で、ジプシーによって各地に広められました。トルコではきらびやかな色彩とデザインの衣裳で、ダイナミックなダンスが特徴と言われます。
5. 効率よく観光を楽しむには
トルコは広大な国土に観光スポットが散らばっているので、効率的な旅行プランを立てるのが難しく、交通機関やホテル、観光施設のチケット手配も大変です。読売旅行のツアーに参加すれば、すべてお任せなので、安心して旅を楽しめます。
とりっぷナビ編集部
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