7月7日(日)
フランツ・ヨーゼフランドに向けて南下
(北緯85度36分)気温0℃
北上した際に割った海氷を辿りながら南下しています。
今日はフランツ・ヨーゼフランドで上陸におけるゾディアックボートの運行と諸注意の説明や北極講座「砕氷船の仕事」など興味深い話もありました。
夕方のリキャップでは北極点大飛び込み大会参加者に対する表彰がありました。夕食は北極点到達を記念したスペシャルディナーです。前菜はイタリアンパスタのトリュフソース、ポルチーニキノコのクリームスープ、カンパリ・シャーベット。メインコースはロブスター、プライムリブステーキのどちらかを選べます。この船の食事は本当においしいです。
7月8日(月)
フランツ・ヨーゼフランド
(北緯81度09分)気温4℃
船はフランツ・ヨーゼフランドに接近です。
午前はフリチョフ・ナンセンとヒャルマー・ヨハンセンが越冬した歴史的な場所ジャクソン島のノルウェー岬に上陸です。氷が多い為上陸できるかどうか微妙でしたがなんとかゾディアックボートで上陸することができました。ナンセンとヨハンセンが越冬したという小さな穴に丸太を渡しその上にセイウチの皮を張り屋根にしたとのことですが日の昇ることのない真っ暗な冬にこんなところで越冬したというのはすごい精神力であったと感心します。周りはツンドラ地帯ですので地面がふわふわしており不思議な感触でした。こんなところにホッキョクゲシ、ムラサキユキノシタやキンポウゲが健気に生息しています。踏まないように気を付けて歩きました。
午後はフランツ・ヨーゼフランド群島の中の狭い海峡をクルージング。船上から幻想的な景色を眺めたりセイウチやホッキョクグマを観察しました。夕食後探検隊長ローリーのサプライズで船を氷河に超接近。船長自らレバーを握り操舵しているのには驚きでした。おかげで迫力の氷河の割れ目など間近に見ることができました。
7月9日(火)
フランツ・ヨーゼフランド
(北緯80度32分)気温2℃
午前中は地質学的に非常に興味深い島「チャンプ島」にヘリコプターで上陸です。
「悪魔のおはじき」と呼ばれる自然が作り出した直径2mにもなる球形の岩がゴロゴロころがっています。かつて海の底だった頃、貝殻などを核にして細かい砂や鉄分がくっつき毬藻のように大きくなったとのことです。
午後は1963年まで使用されたロシアのセドフ基地のあるティカヤ・ブクタに上陸する予定でしたが、急にカーム湾全体に霧が立ち込め、ついさきほどまで見えていた基地もあっと間に全く見えなくなってしまいましたのでルビニーロックに移動することになりました。
ルビニーロックと呼ばれる断崖は円柱状の玄武岩でできておりミツユビカモメの営巣地があります。お客様に船上から見ていただく為に船長は船首をおもいっきり断崖に近づけます。断崖に近づくと霧が晴れてきて何も見えなかったところに急に断崖があらわれました。カモメの鳴き声が響き匂いも漂っています。ハシブトウミガラスもたくさん飛び交っていました。
夕食前に船長に招かれ船長専用のサロンで乾杯をいたしました。皆様から船長にいろいろな質問をしたり記念撮影をしたり、夕食までのひとときお過ごしいただきました。夜はスペシャル・ロシアンディナーです。ウォッカにロシア産キャビアの前菜からボルシチ、ビーフストロガノフなどが用意され、最後にはロシア人スタッフの歌が披露されました。
7月10日(水)
ムルマンスクに向けて北バレンツ海を南下
(北緯76度15分)気温5℃
午前中は隊長ローリーによる北極講座「オーストリア・ハンガリー帝国によるフランツ・ヨーゼフランド発見の物語」がありました。コーディネーターの保阪さんがわかりやすく通訳してくださるので興味深く聞くことができました。昼食前の地質学者ノーマン先生の北極海の講座の途中でイルカが見えたとの放送が入り中断。先生は残念がっていました。
夕食前には写真コンテストがありました。予めエントリーされていた30数枚の写真の中から選ばれたのはフランツ・ヨーゼフランドで見たセイウチの写真でした。その後続いて世界動物保護基金ホッキョクグマ保護のためのチャリティーオークションがありました。我々のグループのお客様も果敢に手を挙げていらっしゃいました。
7月11日(木)
ムルマンスクに向けて北バレンツ海を南下
(北緯76度15分)気温5℃
午前には探検隊長ローリーが経験した北極海スキー横断探検の話を聞きました。
今日は最後の航海日です。下船案内の後、お客様が撮られた自慢の写真やスタッフが撮ってくれたスナップ写真を編集したスライドショーがありました。ムルマンスク乗船から振り返って見ると、あっという間に過ぎた日々がとても懐かしく感じられました。この映像は航海記録DVDに収められ下船前にプレゼントされるので楽しみです。
船長主催のさよならカクテルパーティでは今回のクルーズを成功に導いてくれた船長と探検隊長との記念撮影会となりました。
7月12日(金)
ムルマンスクで下船⇒ヘルシンキ
(北緯69度02分)気温9℃
深夜のうちに船は、満ち潮にのってムルマンスク港に入港しました。
朝食後、慣れ親しんだ砕氷船とお別れしてムルマンスク空港へ。探検スタッフもいっしょに空港に向かいます。
ヘルシンキに戻ると気温は23℃。気温はそれほどでもないのですが日差しが強いので日なたではとても暑く感じました。午後の自由行動の時間には駅まで歩いてお買いものに出かけ帰りは路面電車にも体験乗車してみました。
最後の夕食はレストラン「古都」で日本食。お刺身、サバの塩焼きやてんぷらで締めくくりました。北極圏ではありませんので白夜ではありませんが夜11時頃までは明るくホテルの前の公園は金曜の夜ということもあり多くの若者で賑わっていました。
7月13日(土)
ヘルシンキ⇒帰国便
たいへんお世話になったコーディネーターの保阪さんとホテルでお別れしヘルシンキ市内観光です。
現地のガイドはサクラバさん。戦後初のオリンピックが行われたスタジアムからスタートし、岩の教会、マーケット広場やシベリウス公園などの観光の後、中華料理の昼食をとり空港へ。早めに空港に到着しチェックイン。手荷物検査、税金払い戻し手続き、出国手続きとスムーズに進みました。フィンランド航空の直行便で日本へ。
7月14日(日)
日本到着
成田空港着。あっという間の2週間でした。皆様大変お疲れ様でした。ありがとうございました。
添乗員日記担当