2月6日(土)
南極上陸
南極上陸2日目。今日もたくさんのペンギンとアザラシが出迎えてくれました!小高い丘から下を見下ろすと私たちが乗船している「クリッパー・アドベンチャラー」が沖で優雅に停泊中。小さくも頼もしく思えるのでした。昨日から見学中に気付いていたことがあります。思ったよりも南極は暖かいぞ!? パルカを脱いでセーターでちょうどいいくらいの気温。おそらく日本の冬と変わらないのではないでしょうか?これも地球温暖化の影響かと思うと私を含め、人類の環境破壊を深刻に受け止めなければと思いました。午後はネコ・ハーバーに上陸。帰船の為、私達がゾディアックボートに戻る途中、「ゴゴゴ、、、」と地鳴りのような音が!海岸沿いの氷河が崩落!したのです。予想を超える津波が海岸沿いに押し寄せるという貴重な体験もできました。夕食後、南極半島で最も美しいと言われる「ルメール海峡」を通航。岩山が両岸に迫る海峡を通過する瞬間は感動的でした。
2月7日(日)
南極上陸
南極上陸3日目、本日は早朝6時前より活動開始!相変わらず本日も暖かいです。船のエクスペディション・スタッフ曰く、南極の天候は変化しやすく3日連続で晴れることはまずないそうです。ピーターマン島への上陸。ここはアデリーペンギンの営巣地。今まで見ていたゼンツーペンギンとは違い、目の周りが白く、少し小ぶりな可愛らしいペンギンです。午後の活動は皆様お待ちかねの「ポート・ロックロイ」への上陸。ここは旧イギリス南極調査所が、今では郵便局ならびにギフトショップになっており、人気の上陸スポットです。ここで出された手紙は届くのに3週間~3か月かかるといわれております。ここのゼンツーペンギンは全く人を怖がらず、平気で足をつついてきたりするフレンドリーなペンギンです。
2月8日(月)
南極上陸中止
上陸4日目。昨日までの3日間、やさしく私達を出迎えてくれた南極の海からは想像もできないほど、荒れ狂う海。風が強く波も高いので、デセプション島とハーフムーン島の上陸はやむを得ず中止となりました。天候が変わりやすい「本当の南極」の怖さを知ることができました。ただ、昨日までの3日間で通算7回も上陸でき、とても有意義な南極観光となりました。
2月9日(火)
ウシュアイアに向けてドレーク海峡を航海中
往路のドレーク海峡航行を体験しているだけあり、お客様も慣れてきているようです。ここを通過しないと南極大陸に行けませんし、ウシュアイアにも帰れません。あの感動的な風景を体験するには避けて通れない壁です。帰りは追い風で船は順調に航路を進みます。さて、船内ではアフタヌーン・ティータイムがあり、メイン・ラウンジでは皆様思い思いの時間を過ごしております。お互いのカメラの写真を見せあい、楽しかった南極での思い出話に花が咲いている事でしょう。他にも、昼と夕食後のあいた時間には映画の上映もあります。船内1日中、退屈をしないように綿密に計画がたてられております。
2月10日(水)
ウシュアイアに向けて航海中
日も終日航海。午前中は恒例の南極講座。最終回の今回は、日本人講師辻本さんによる南極・昭和基地での体験が披露されました。基地での生活、出来事のお話に魅力に取りつかれた皆様でした。船長主催のフェアウェルパーティーではシャンパンで乾杯後、さよならディナー。おいしかった夕食もこれで最後かと思うとメインは何にするか悩みます。メインディッシュ終了後は伝統のベイクド・アラスカならぬ「ベイクド・アンタークティカ・パレード」が披露され、船のクルーが全員集まり、担当の仕事の紹介もありました。南極クルーズが無事終わりに近づき、スタッフの温かなおもてなしは南極での思い出をより彩るものになりました。
2月11日(木)
ウシュアイア入港
感動と浪漫、そして楽しさいっぱいの南極クルーズもあっというまでした。ずっと一緒だった船内スタッフともお別れです。来年も船上で会う事を約束して船を離れました。下船後はフエゴ島国立公園の観光と旅情あふれるSL列車「世界の果て号」に乗車。世界最南端を走る蒸気機関車は1910年に建設され、かつて監獄までを結んでおりました。この鉄道自体が囚人たちによって造られたというから驚きです。途中停車場所でSLを降り、ホットココアを飲みながら食べた「ドルセデレチェ」の味も格別でした。午後、南極クルーズ本体組と別れ、空路パタゴニアのカラファテに移動。
2月12日(金)
世界遺産ペリト・モレノ氷河
南極でも氷河をたくさん見学した私達ですが、南極とは違いペリト・モレノは轟音とともに頻繁に崩落がおこる事で有名です。全長約35km、表面積は195k㎡、先端部は約5km、高さ約60mの氷河は、豊富な降雪と比較的高い気温のため、流れが速く、平均して1日約2m進むといわれております。この活発な動きが崩落を頻繁に引き起こしております。午前中は約1時間のクルージングで船上から氷河を見学。クルージング中、4回ほど起きた崩落は津波となり、船を揺らします。午後は展望台から間近に氷河を見学。「パン」という乾いた音は、どこかで氷に亀裂が入ったしるし。皆さん寒い中、崩落の現場を写真におさめようと固唾をのんで見守っていたのもいい思い出となりました。
2月13日(土)
イグアスへ移動
朝食後、カラファテ空港より空路、ブエノスアイレス経由でイグアスへ。今までの空港とはうってかわり、ジャングルの真ん中にある真夏のイグアス空港に到着です。
2月14日(日)
世界遺産イグアスの滝
グアスの滝はブラジル側とアルゼンチン側から観光となります。陸路でブラジルに入国、ブラジル側からはイグアスの滝全体を見学しました。午後には、再度アルゼンチンに入国して観光のハイライト「悪魔ののどぶえ」見学。大迫力のスケールに圧倒!世界三大滝の全てを見た方曰く、一番の迫力だったそうです。
2月15日(月)→2月16日(火)
帰国の途へ
感動の連続の旅もいよいよ終わりです。ブエノスアイレスで半日市内観光後、アトランタ経由、成田へ。南極クルーズは4千tの耐氷船で大型客船ではございませんが、南極の上陸観光を体験して感じたことは、大型客船の場合、上陸ポイントまで近づけない、クジラを発見した時でも旋回して見ることはできないと思いました。そして一番の目的である南極上陸は合計7回、多い時は1日3回も上陸できました。これはお客様が100名前後の客船だからできることで、250人~1000人のお客様が乗る客船ではここまで充実した観光は非常に難しいことでしょう。せっかく遠い日本から南極まで来ますので、内容の濃い観光が一番お勧めです。読売旅行では、2011年にも全船チャータークルーズを企画しております。ぜひこの機会に地球最後の秘境「南極」をご堪能下さい。今回ご一緒致しましたお客様、23日間のご旅行、大変お疲れ様でございました。またお会いできる日を楽しみにしております。誠にありがとうございました。
添乗員日記担当