東北三大祭りのひとつ「秋田竿燈まつり」は、圧巻のパフォーマンスが見られる祭りです。今回は、あたたかな明かりを灯す稲穂に模した提灯と熱気にあふれる「秋田竿燈まつり」の基本情報や、味わい方をご紹介します。
1.「秋田竿燈まつり」とは?
秋田竿燈まつり 画像提供:(一社)秋田県観光連盟
1-1 「秋田竿燈まつり」の由来・歴史
「秋田竿燈まつり」の起源は、「七夕祭り」だと考えられ、その歴史は江戸時代中期頃に遡ります。当時、家内安全・無病息災を祈って7月7日の七夕祭りの前夜に「ねぶり流し」といわれるお盆行事が行われていました。子どもたちが川まで願い事を下げた笹を流しに町を歩いていましたが、その後、明かりを灯した提灯をいくつも付けた長い竿を十文字に構えた若者たちが、太鼓を鳴らしながら町を練り歩く形へ発展。竿の形が稲穂や俵に似ていることから、豊作祈願の意味も込められるようになりました。これが「秋田竿燈まつり」の由来と言われています。
1-2 「秋田竿燈まつり」は、いつ開催されるの?
「秋田竿燈まつり」は、毎年8月3日~6日の4日間秋田市内で開催されます。
公式サイトはこちら から。
1-3 「秋田竿燈まつり」の見どころ
秋田竿燈まつり 画像提供:秋田市竿燈まつり実行委員会事務局
「秋田竿燈まつり」のいちばんの見どころは、差し手(演技者)の妙技です。50kgもある大きな竿燈(たくさんの提灯を付けた竿)を持ち歩くだけではなく、手のひら、腰、額、肩の1点に竿燈を乗せて支える熟練の技を繰り広げます。竿燈は長さ12mありますが、さらに演技の途中で「継竹(つぎだけ)」と呼ばれる竹を足して高さ増すのです。1本約1.2mの継竹を徐々につなぎ、高さは最大で20mほどにも達します。高さが増すたびに負荷がかかるため竿燈は大きなしなりを見せ、扱いを間違えれば簡単に折れてしまうことに。差し手は、竿燈の限界を見極めて繊細に扱いながらも、大胆でダイナミックな演技を披露していきます。
さらに竿燈につけられた提灯の中には全て本物のロウソクの火が灯されており、風で消えてしまうことも。万が一、差し手がバランスを崩せば燃えてしまうこともあり得ます。火を消さずに落ち着いた良い演技をすることも差し手は意識しているのです。また、子どもの差し手もいて大人に負けない技を見せます。子ども用の竿燈は、最小のもので重さ5kg、高さ5m。最大だと重さ30kg、高さ9mともなります。演技の他にも、勇壮な太鼓と心地よい笛の音が奏でる「竿燈囃子」も楽しみのひとつです。
竿燈妙技
・流し…次の差し手が継竹を継ぎやすいように支える技
・平手…手のひらに竿燈を高くかざして静止させる
・額…竿燈を額の上に乗せてバランスをとる
・肩…竿燈を肩に乗せてバランスをとる初級の技
・腰…竿燈を腰に乗せてバランスをとる最上級の技
1-4 観覧場所・観覧方法は?
「秋田竿燈まつり」は、JR秋田駅近くの竿燈大通りが夜の本番の主会場です。祭りの見どころは、何といっても差し手の妙技なので、近くで観覧することをおすすめします。間近で見られなくてもお祭りの雰囲気を楽しむなら主会場付近で早めに場所取りするのでも良いのですが、できれば有料観覧席での観覧がいいでしょう。
有料観覧席は、5月ころからインターネット・電話・FAXで予約を受け付けます(有料観覧席についてはこちら から)。
桝席、S席、A席、B席があり、特に桝席は受付から数日で締め切りになるので早めの予約が賢明です。有料観覧席付きのツアーもありますので、手配が面倒であれば、ツアーで行くのもおすすめです。
1-5 会場へのアクセス
「秋田竿燈まつり」の主会場は、JR秋田駅が最寄りとなります。遠方からの訪問で公共交通機関を利用する場合、飛行機で秋田空港まで来て、JR秋田駅までバス移動するのが時間的には最短ルートとなるでしょう。秋田空港まで、羽田空港(東京)から約65分、大阪国際空港(大阪)と中部国際空港(名古屋)からなら約85分。秋田空港からJR秋田駅までリムジンバス秋田空港線を使って約40分です。また、秋田新幹線を使う場合、東京から秋田までは最短で3時間50分となります。
2. 昼も夜も楽しい! 「秋田竿燈まつり」を満喫しよう
2-1 【昼竿燈】「竿燈妙技会」で差し手の技を堪能
秋田竿燈まつり 画像提供:秋田市竿燈まつり実行委員会事務局
「秋田竿燈まつり」には夜の本番の祭り(通称「夜本番」)の他に、8月4日~6日の3日間実施される「竿燈妙技会」(通称「昼竿燈」)があります。「竿燈妙技会」は、差し手たちが個人・団体で「名人」の座を目指して技を競い合う大会となっており、「エリアなかいちにぎわい広場」で開催されます。型の美しさや技の安定感などを基準に差し手の審査が行われ、また、囃子方の演奏競技もあります。夜とは違った雰囲気の中、間近で差し手の妙技、囃子方の心地よい音色を堪能できるのが魅力です。審査結果は祭りの最終日に発表されます。最終日に「昼竿燈」で「名人」の称号を受けた差し手の演技を、「夜本番」でまた堪能するのもいいですね。
基本情報
名称 竿燈妙技会(会場:エリアなかいちにぎわい広場)
住所 秋田市中通1-4-1連絡先 018-888-5602(秋田市竿燈まつり実行委員会事務局)
WEB 竿燈まつり公式サイト(竿燈妙技会日程)
2-2 【夜本番】提灯がともった竿燈がずらりと並ぶ様は圧巻
秋田竿燈まつり 画像提供:秋田市竿燈まつり実行委員会事務局
「夜本番」では、差し手や囃子方の熱気と「ドッコイショー、ドッコイショ」の掛け声と共に、鮮やかな妙技が見られます。主会場となる竿燈大通りに、提灯の明かりがゆらぐ竿燈がずらりと並ぶ様は圧巻です。特に最終日は、「昼竿燈」で優勝発表を受けた後の名人が、興奮冷めやらぬまま「夜本番」に登場。さらに熱い力のこもった演技が見られるでしょう。
また、「夜本番」では、演技終了後に「ふれあい竿燈」の時間があり、観覧客が実際に竿燈に触れたり、記念撮影ができます(中止になる場合もありますので、公式サイト をご確認ください)。
基本情報
名称 秋田竿燈まつり 夜本番(会場:竿燈大通り)
住所 秋田市竿燈大通り連絡先 018-888-5602(秋田市竿燈まつり実行委員会事務局)
WEB 竿燈まつり公式サイト(夜本番スケジュール)
2-3 【戻り竿燈】地元の雰囲気も味わえるツウの楽しみ
とりっぷナビ編集部
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