「白金(しろがね)青い池」は北海道・美瑛町にある話題の観光スポット。「美しいコバルトブルーが神秘的」「SNSで映える写真が撮れる」と大人気です。旅行が大好きなAさん・Bさんも興味津々ですが、少し気になる点もあるようです。
1. 「白金青い池」、そこはまさに別世界!
「白金青い池」は北海道美瑛町白金にある人造湖です。昭和63年(1988)12月、十勝岳の噴火による火山泥流を防ぐため、ブロック堰堤(ブロック造りの小規模な堤防)が造られました。その堰堤に偶然川の水がたまり、青い池が誕生したのです。
2012年にはアメリカのApple社のパソコンの壁紙にも採用され、世界的に知られる存在に。その美しさは、日本国内はもちろん多くの海外の人々を惹きつけています。
1-1 「白金青い池」は北海道のどこにある?
続いて、「白金青い池」の所在地や交通アクセスについてご紹介します。「白金青い池」のある美瑛町は、札幌から北東に約150km 、旭川からは南に約30km の場所にあり、北海道のほぼ真ん中に位置する町です。道外からだと、空路で旭川空港まで行き、そこからレンタカーかJR富良野線での移動が最短の手段になります。
最寄りのJR美瑛(びえい)駅から「白金青い池」までは距離があるので、車やバスの利用がおすすめです。バスは本数が少ないため、乗り遅れないよう時刻表はしっかり確認してください。時間を気にせず観光したい場合は札幌か旭川でレンタカーを借りて向かうか、または美瑛駅からタクシーの利用も検討しましょう。
旭川方面から
車:約54分/JR旭川駅から国道237号線~美瑛町~道道966号線を経由して白金青い池へ
札幌方面から
車:約2時間40分/札幌IC~旭川方面に三笠ICへ~一般道で富良野~美瑛町~道道966号線を白金温泉方面へ
JR富良野線「美瑛駅」から
車:約20分/美瑛駅から道道966号線を経由して白金青い池へ
バス:約20分/道北バス「白金温泉行き」~「白金青い池入口」で下車
2.「白金青い池」にまつわる謎をとことん解説
水が偶然たまっただけなのになぜこんなに青いのか、映える写真を撮影できるタイミングなど、「白金青い池」にまつわる謎について調べてみました。
2-1 なぜこんなにも鮮やかな「青」なのか
「白金青い池」が鮮やかな青に見える理由は諸説ありますが、水質と光の散乱によるところが大きいといわれています。
「白金青い池」には上流の白金温泉で湧いているアルミニウムを含んだ水、そして美瑛川の水が流れ込んでいます。異なる特徴をもつ2つの水が混ざると、「コロイド」という目に見えない小さい粒子が生成されます。この「コロイド」と太陽光が化学反応を起こし、波長の短い青い光が散乱して、私たちの目に青く映るというわけです。
2-2 コバルトブルーに見えるベストタイミングは?
せっかく訪れるなら、できるだけ最高に近い状態で、美しいコバルトブルーの池をカメラに収めたいですよね。そこで、美しい写真を撮影するために必ず押さえておきたいタイミングについて、わかりやすくまとめました。
季節
季節ごとにさまざまな表情を見せてくれる「白金青い池」ですが、青の美しさにこだわるなら夏がおすすめです。夏の強い日差しが水面を照らし、いっそう青い光が輝く上に、日が落ちるのが遅いためコバルトブルーの水面をより長く楽しめます。
ただ夏は北海道の観光シーズンでもあります。多くの観光客が訪れることが予想され、すぐに良い撮影ポジションが取れないこともあるので、時間に余裕を持って出かけましょう。
天気
一番のおすすめはやはり晴天。曇りだと水が暗く見えてしまいがち。雨は水が濁る恐れがあるので、観光前に天気予報も忘れず確認してください。また大雨の翌日など、水量が大幅に増えている日もおすすめできません。
「なぜこんなにも鮮やかな『青』なのか」の項で述べたように、「白金青い池」の水には青色の元になるコロイドが生成されています。しかし雨で増水すると、全体の水量に対してコロイドの比率が下がり、青く見えないといわれています。
時間帯
美しい青を撮影するなら午後がぴったりです。午前中は太陽が湖畔の散策路に対して逆光になるため、肉眼では鮮やかに見えているブルーが、写真では白っぽく写りがちだからです。午後は太陽の位置が高くなり、青がきれいに見える写真を撮りやすくなります。しかし訪れる人が増えますので、撮影のベストスポットを押さえにくくなったり、順番待ちの列ができたりするデメリットも。
改めて、青が美しい写真撮影のベストタイミングをまとめてみましょう。
ベストシーズン | 夏 |
ベストな天候 | 晴天(雨の翌日は晴れていても避ける) |
ベストな時間帯 | 午後(ただし人が多い) |
2-3 “映え”写真を撮るために知っておきたい知識
風景写真だけでなく、SNSで映える写真を撮りたいという人も多いはず。ここでは“映え”を優先した写真撮影のポイントもご紹介!
時間
早朝は風が少なく水面が静かなため、周囲の木々がきれいに映り込んでいる写真を撮影するチャンス。さらに朝日が差し込む時間になれば、水面がきらきらと光る写真が撮れるかもしれません。青の美しさにこだわるなら午後がおすすめですが、他の人とは一味違う写真がお好みなら、早朝も選択肢に入れてみましょう。
季節
10月上旬になると、「白金青い池」を取り巻く木々が紅葉期を迎えます。赤や黄の葉に彩られた木々と池の青が、鮮やかなコントラストを見せる写真が狙えるはずです。
冬は一面が雪で白く染まり、さらに11月下旬から翌年の4月末までは夜のライトアップも行われるため、いっそう幻想的な写真が期待できそうです。ただライトアップの時期は混雑することも意識しておきましょう。
2-4 「白金青い池」 散策ルール・マナーをチェック
今や世界的に知られる人気観光スポットとなった「白金青い池」。冬は雪の影響で訪れる人が減りますが、基本的にどの季節も観光客が多いと考えてください。それだけに撮影時のルールやマナーには配慮が必要です。特に下記に挙げる点はしっかり守りましょう。
・ドローン(無人飛行機)による飛行・空撮は原則禁止
・フラッシュ撮影は周囲の人に迷惑をかけない範囲で行う
・設置された柵に登る、柵を乗り越えるなどは厳禁
・三脚の設置など場所を独占する行為はしない
・周囲の植物を傷つけない
・その他、他の観光客の邪魔になる行為は避ける
3.「白金青い池」観光で“ガッカリ”しないために
「白金青い池」の観光を楽しみにしていたのに「映える写真が撮れなくてガッカリ……」という事態は避けたいもの。そんなことにならないために、訪れる前にしっかりチェックすべき点をご紹介します。
3-1 天気をチェックしよう
「コバルトブルーに見えるベストタイミングは?」の項でも紹介しましたが、撮影は夏、晴天の日の午後がおすすめです。旅行時の天候をしっかり確認し、例えば観光当日を含む2、3日にわたって晴天が続く時期を意識してください。可能なら 天候が読みにくい時期は避けるなど、前もってできることはやっておきましょう。
3-2 事前にお手洗いや買い物は済ませる
「白金青い池」は森林の中にある景勝地のため、池の周囲にお手洗いや売店などはありません。お手洗いは事前に済ませておき、池に向かう途中は水分を控えるなどの工夫を。また、売店などはないため、買い物 が必要なら別の場所で済ませましょう。両手が空いた状態の方が撮影に集中できるというメリットも。
3-3 靴は履き慣れた歩きやすいものを
散策路はスニーカーなど歩きやすい靴がマストです。舗装されていない散策路のため、ヒールの高い靴や革靴などはかなり疲れる場合があります。
3-4 季節・時間帯に合った装備を持参しよう
「白金青い池」は日の出から日没まで、無料で見学が可能です。訪れる時間に合わせて適切な装備をしていきましょう。例えば、冬期は気温が氷点下になるため、ダウンなどの防寒着はもちろん、防水性の高い手袋やマフラー、帽子、使い捨てカイロなどの防寒グッズをお忘れなく。
4. 北海道の「白金青い池」は、ツアーで行くのも選択肢のひとつ
「『白金青い池』 は北海道のどこにある?」でもお伝えしましたが、実際に現地を訪れる際はレンタカーを利用する方が多いようです。レンタカーも便利ですが、もし便利さや効率面を重視するなら、旅行会社のツアーを利用するのもひとつの方法です。
北海道はとにかく広いため、いろいろな場所を見て回りたい場合は、効率的に移動することが非常に大切です。さらにレンタカーでは慣れない道を自分で運転しなければならないため、疲れも溜まります。ツアーならバスやタクシーの貸し切りなど、ニーズに応じたきめ細やかなプランを利用できます。
レンタカーや公共バスの利用とともに、選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか。
5. 準備万全で「白金青い池」を満喫しよう!
「白金青い池」のきれいなコバルトブルー、季節ごとに変わる美しさなどの魅力をお伝えしてきました。北海道観光のおすすめスポットなので、快適・効率的に回れるツアーも利用しつつ、ぜひ行かれてみてはいかがでしょうか。
とりっぷナビ編集部
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