東北三大祭りのひとつ「青森ねぶた祭」。一生に一度は見てみたいと思っている方は多いのではないでしょうか。今回は奥の深い「青森ねぶた祭」について、押さえておきたい基本情報やその魅力、楽しみ方をご紹介します。
1.「青森ねぶた祭」とは?
1-1 「青森ねぶた祭」の由来・歴史
ねぶた祭 画像提供:青森観光コンベンション
「青森ねぶた祭」は、国の重要無形民俗文化財に指定されている有名なお祭りです。大迫力の「ねぶた」と呼ばれる山車と共に、「ラッセラー、ラッセラー」という掛け声をかけながら踊り子のハネトたちが場を盛り上げる様子が人気です。「青森ねぶた祭」の由来は七夕祭りの灯籠流しと言われていますが、起源は明らかではありません。奈良時代に中国から伝わった「七夕祭」と、津軽の習俗や精霊送りなどの行事が合わさって時代と共に変化していったと考えられています。7月7日の夜に灯籠と一緒に穢(けが)れを川や海に流して無病息災を祈る行事だった「七夕祭」。その灯籠が「ねぶた」と呼ばれたことから、「ねぶた流し」となり、今の青森ねぶた祭のねぶたの海上運行がその名残となっています。また、「ねぶた(ねぷた)」という言葉は「眠り」が元で、睡魔を払う「眠り流し」という意味合いから来ているという説もあります。
1-2 「青森ねぶた祭」は、いつ開催されるの?
「青森ねぶた祭」は、毎年8月2日~7日に開催されます。最終日の8月7日には、ねぶたの海上運行があります。予定等は事前に公式サイト等でご確認ください。
1-3 観覧場所・観覧方法は?
ねぶたの運行コースは基本的にJR青森駅付近の新町〜市役所前周辺ですが、運行コースが公式サイトで毎年発表されています。また、個人と団体向けに有料の観覧席(指定席)が発売され、車いすのまま観覧できる有料の車いす専用席(介添えの方は別途有料の観覧席の購入が必要)も用意されています。観覧場所は運行コース周辺の国道や歩道になりますが、国道は時間によって規制が入ることも。新町・本町通り、八甲通り、平和公園通りなどの歩道では自由に観覧できます(有料の観覧席や商店街組合が利用する場所を除く)。
1-4 会場へのアクセス
主な交通手段は飛行機か新幹線になりますが、早さ重視なら飛行機がおすすめです。東京から青森空港までは約1時間20分、大阪からは約1時間25分で到着します。青森空港からJR青森駅までは車で約25分、バスで約40分。新幹線の場合は、東北新幹線で東京駅から新青森駅まで直通で約3時間15分。北海道からは、北海道新幹線で新函館北斗駅から新青森駅まで約1時間。新青森駅からJR青森駅までは、JR奥羽本線で約6分です。
2.「青森ねぶた祭」を思いっきり楽しもう!
2-1 「青森ねぶた祭」を事前予習できる「ねぶたの家 ワ・ラッセ」
ねぶたの家 ワ・ラッセ 画像提供:青森県
JR青森駅から徒歩1分の青森市文化観光交流施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」は、「青森ねぶた祭」の歴史や魅力を体感できる観光施設です。1階の「ねぶたミュージアム・ねぶたホール」では、実際に祭りで使われた大型ねぶたを常設展示。2階では「青森ねぶた祭」の歴史を紹介しています。ねぶたの作風や題材の変遷、制作技術のほか、青森からねぶた文化を世界へ発信する様子も学ぶことができます。施設内には、青森港を眺めながら食事できるレストラン、青森の名産品をそろえるショップもあります。
基本情報
名称 青森市文化観光交流施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」
住所 青森県青森市安方1-1-1
連絡先 017-752-1311
WEB ねぶたの家 ワ・ラッセ公式サイト
2-2 前夜祭も楽しんで、「青森ねぶた祭」へのテンションUP!
ねぶた祭りお囃子 画像提供:(公社)青森観光コンベンション協会
ねぶた祭前日の8月1日は、青い海公園(ラッセランド)で前夜祭が毎年開催されます。屋台や出店に加え、コンサートやダンスコンテストなどの様々なイベントが企画されます。例年はお祭りに出陣する大型ねぶたの展示や、ミスねぶた・ミスターハネト、ねぶたを作るねぶた師の紹介、ねぶた囃子演奏なども行われます。翌日のお祭りへ向け、より気分を高めることができるでしょう。
基本情報
名称 青森ねぶた祭 前夜祭 【会場】青い海公園(ラッセランド)
住所 青森県青森市安方2-1(観光物産館アスパム側)
連絡先 017-723-7211 (公社)青森観光コンベンション協会
WEB 青森市公式サイト
2-3 ねぶたと一緒に会場を盛り上げ! ハネトになって祭りに参加
ハネト 画像提供:(公社)青森観光コンベンション協会
ハネトとは、ねぶたと一緒に祭りを盛り上げる踊り子です。漢字では「跳人」と書かれるように、「ラッセラー」という掛け声をかけながら飛び跳ねて踊ります。ハネトの衣装を着ていれば、誰でも事前申し込みなしで参加できるのが「青森ねぶた祭」の大きな魅力でもあります。コロナ禍では参加にあたって事前申し込みの抽選制が導入されましたが、それでもお祭りの演者として参加できるチャンスがあるのは嬉しいですね。衣装は購入もレンタルも可能。公式サイトに購入もしくはレンタル・着付けできるお店が紹介されています。ハネトとしてお祭りに実際に参加すれば、より素敵な思い出ができるでしょう。
2-4 最終日は見もの!ねぶた海上運行&花火の競演
ねぶた海上運行・青森花火大会の様子 画像提供:(公社)青森観光コンベンション協会
「青森ねぶた祭」の最終日となる8月7日の夜は、ねぶたの海上運行があります。海上運行は、この祭の由来とされる七夕祭りの灯籠流しを彷彿とさせます。さらに青森花火大会が同時開催され、「青森ねぶた祭」はいよいよクライマックスに。海上に浮かんだ幻想的なねぶたと、約1万1千発の花火とのコラボレーションはまさに見もの! その感動的なフィナーレは必見です。
基本情報
名称 青森花火大会・ねぶた海上運行 【会場】青い海公園・新中央埠頭
住所 青森県青森市新町2丁目1
連絡先 017-723-7211(青森ねぶた祭実行委員会事務局)
WEB 青森花火大会公式サイト
2-5 せっかくだから青森名物グルメ「のっけ丼」も堪能しよう!
のっけ丼 画像提供:青森のっけ丼案内所
青森を訪れたなら絶対に外せない名物グルメ「のっけ丼」。JR青森駅の正面出口から徒歩約5分のところにある市場の「青森魚菜センター」で味わうことができます。「のっけ丼」とは、市場を巡って選んだネタをご飯にのせながら作るユニークなスタイルの海鮮丼です。入り口ののっけ丼案内所で食券を購入したら、まず市場にある赤い看板のお店で丼ご飯に引き換えます。それから、市場の約30店舗の中から好みのネタを選び、食券と交換しながらご飯にのせていきます。お店ごとに扱うネタや必要な食券枚数などが違うので、食券を購入する前に市場を下調べしたり、仲間と情報交換したりしながら、自分だけのスペシャル海鮮丼を作りましょう。海鮮以外にも、味噌汁、漬物、惣菜などもあります。
基本情報
名称 青森のっけ丼
住所 青森県青森市古川1-11-16
連絡先 017-763-0085
WEB のっけ丼案内所公式サイト
3.日程に余裕があればおすすめ!「青森三大ねぶた祭り」・「東北三大祭り」ツアー
3-1 【満喫プラン】「青森三大ねぶた祭り」でねぶた三昧
弘前ねぷた祭り 画像提供:弘前市観光物産課
実は青森県では7~8月に県内各地でねぶた祭りが開催されます。中でも、扇型のねぶたが特徴の「弘前ねぷたまつり」と、高さ20m以上の縦型の巨大ねぶたが特徴の「五所川原立佞武多(ごしょがわらたちねぷた)」は、「青森ねぶた祭」と合わせて「青森三大ねぶた祭り」と呼ばれます。「青森ねぶた祭」と同時期に開催されるため、ハシゴも可能。特徴が異なる3エリアのねぶたを堪能できる「青森三大ねぶた祭り」ツアーはいかがでしょうか。
3-2 【豪華プラン】移動しながら「東北四大祭り」巡り
秋田竿燈まつり ⒸYTS
昔から「青森ねぶた祭」、「秋田竿燈(かんとう)まつり」、「仙台七夕まつり」は「東北三大祭り」と言われてきましたが、さらに近年は「山形花笠まつり」を合わせて「東北四大祭り」と言われます。この4つはほぼ同時期に開催されるため、スケジュールと予算に余裕があれば、東北四大祭りを巡る豪華なツアーを組むことも可能。早めのお盆休みをとって、それぞれに見ごたえのあるお祭りと、各地のグルメ・観光地・温泉などを満喫する贅沢なプランもいいですね。
4.学んで、見て、参加して「青森ねぶた祭」を味わい尽くそう!
「青森ねぶた祭」は、日本だけでなく、世界各国の観光客からも人気のお祭りです。「ねぶたの家 ワ・ラッセ」などの施設でその文化を学び、お祭りを見て、さらにはハネトになってお祭りに参加するなど、様々な楽しみ方ができます。読売旅行では、「青森ねぶた祭」を満喫できるツアーをはじめ、東北四大祭りに関するツアーも企画しています。ぜひ、読売旅行で素敵な旅へ出かけてみませんか。
とりっぷナビ編集部
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