「花の浮島」こと礼文島は、北海道の離島ならではの自然が美しい人気の旅行先です。春は一面に咲く高山植物を、冬は積雪の上を歩くネイチャーウォークで大自然の風景を楽しめます。澄み切った空気と満天の星空を体感し、名物のホッケやウニ丼に舌鼓。野趣あふれるトド肉料理など、珍しい食文化にも触れられます。大自然と絶景が迎える礼文の旅に便利なホテル・宿泊施設の情報を、島内の観光や交通の情報とともにご案内します!
1. 礼文島の市街地は「船泊」と「香深」の2か所
宿を探すには、ホテルや民宿が集まる市街地がおすすめ。島の主な市街地は2カ所、北部の船泊と南部の香深です。人気観光スポット付近にも宿はありますが、ハイシーズン(4月~10月ごろ)のみ営業している場合も多く、予約できないことも。フェリーターミナルのある香深は島の玄関口。観光案内所や島内各地へ向かう路線バスの起点であり、島内観光の拠点です。まずはターミナル内にある観光案内所で情報収集を。市街地には飲食店やショップが集まり、桃岩展望台などの南部の観光にも便利。冬の観光に欠かせない温泉も香深にあります。
桃岩展望台からの風景 画像提供:礼文はなガイドクラブ
北部の観光には船泊が便利です。縄文時代の遺跡(船泊遺跡)もあるこの集落は、最北限の縄文文化が栄えた地でもあります。北の国ならではのゆったりとした時間が流れる船泊は、スコトン岬や澄海(すかい)岬などの人気スポットへのアクセスが良好です。
2.香深のおすすめホテル&宿泊施設
2-1 旅館桜井
1956年創業。島内では最も歴史のある老舗旅館です。地元の新鮮な魚介を使って女将自ら腕を振るう料理が自慢。50名収容、家庭的なおもてなしが魅力の宿です。客室は和室、洋室、和洋室の3タイプで、50畳以上の宴会場も完備。館内にも大浴場を備えていますが、旅館のすぐ斜め向かいに温泉施設「うすゆきの湯」があり、そちらへ入浴に出かけるのもおすすめです。
基本情報
名称 旅館桜井(通年営業)
住所 〒097-1211 北海道礼文郡礼文町香深字入舟
連絡先 0163-86-1030
WEB 旅館桜井公式サイト
2-2 三井観光ホテル
三井観光ホテル客室 画像提供:三井観光ホテル
海岸沿いにたたずむ全100室、318名収容の大型ホテル。礼文水道の向こうにそびえ立つ「利尻富士」こと利尻山を遠望する大浴場と露天風呂が自慢です。窓が大きい大浴場は開放的で、眺望は感動の一言。礼文温泉と呼ばれる天然温泉はナトリウム-塩化物・硫酸塩泉で、筋肉痛や疲労回復に適応があるそう。和室と洋室が選べる客室は、各室トイレ、バス付きで冷暖房も完備。大宴会場「あつもり草」は66畳の広さ。ロビーで無線LANが使えます。
基本情報
名称 三井観光ホテル(5月中旬~9月末営業)
住所 〒097-1201 北海道礼文郡礼文町香深トンナイ277
連絡先 0163-86-1717
WEB 三井観光ホテル公式サイト
2-3 ホテル礼文
フェリーターミナルのすぐ向かいに位置する160名収容の大型ホテル。100名収容可能な81畳の大宴会場があり、団体ツアーなどでもよく利用されます。食事は特産品のウニ、ホッケ、イクラ、山菜など、礼文の旬を感じる料理を提供。最上階の展望&露天風呂では、天然温泉に浸かりながら利尻富士と日本海の大パノラマが楽しめます。宿の観光プランには、桃岩展望台や野生のアザラシ出没ポイント・金田ノ岬までの送迎ツアーのほか、ホテルスタッフ同行の夜の磯釣り体験ツアー、電動アシスト自転車貸出プランなど、宿泊と組み合わせた独自の観光付きプランも提供しています。
基本情報
名称 ホテル礼文(5月~9月営業)
住所 〒097-1201 北海道礼文郡礼文町香深村ワウシ958-25
連絡先 0163-86-1990
URL ホテル礼文公式サイト</a
2-4 花れぶん
コンセプトは「高山植物をテーマにした純和風宿」。旅館のマイクロバスで早朝の花畑散策ツアー「朝の花巡り散策」が催行されています(8月末まで)。展望大浴場と露天風呂「花海の湯(はなみのゆ)」は、天然温泉「うすゆきの湯」の源泉を引いています。湯上がり処には利尻昆布を浸した特製の「こんぶ水」が用意されており、体の内側もリフレッシュ。露天風呂付き客室では、たゆたう湯船に身を委ねながら感動のパノラマを独り占めできます。水産加工会社「やまじょう」が運営している宿だけに、食事に登場する海鮮の新鮮さはお墨付き。料亭風のお食事処では、礼文産生ウニ、ホッケ、ボタンエビ、利尻昆布などを使った料理を楽しめるほか、売店「花小箱」でもやまじょうの海産物がお土産として販売されています。
基本情報
名称 花れぶん(5月25日~9月20日営業)
住所 〒097-1201 礼文郡礼文町大字香深村字トンナイ558
連絡先 0163-86-1666
WEB 花れぶん公式サイト
2-5 ペンションう~に~
30年以上続く家族経営のペンション。収容人数は29名。絵の先生もしているご主人と明るい奥さんのオーナー夫妻が息子さん一家と一緒に切り盛りしています。到着時はフェリーターミナルまで迎えを頼めるほか、そのまま車に荷物を預けて、近場の観光地まで送ってもらうこともできます。チェックアウト後に観光したい場合は宿に荷物を預かってもらい、出発時間に合わせてフェリーターミナルまで届けてもらえたり、宿を移動する場合には、島南部の宿なら荷物を届けてもらったりするのもうれしいポイント。アットホームな宿ならではのきめ細かいサービスで、身軽に旅行ができます。桃岩展望台やメノウ海岸、桃台猫台展望台などへもアクセス良好です。個室トイレ・個室バス・無線LAN・洗濯機使用可。
基本情報
名称 ペンションう~に~(通年営業)
住所 〒097-1201 北海道礼文郡礼文町大字香深村入舟
連絡先 0163-86-1541
WEB ペンションう~に~公式サイト
3.船泊のおすすめホテル&宿泊施設
3-1 民宿海憧
船泊・礼文町総合公園近くにある家族経営の民宿。収容人数は30名で、男女別相部屋もあります。(年齢制限あり)島北部の観光・トレッキングの拠点に便利です。
基本情報
名称 民宿海憧(通年営業)
住所 〒097-1111北海道礼文郡礼文町大字船泊村字大備
連絡先 0163-87-2717
WEB 民宿海憧
3-2 礼文島プチホテル コリンシアン
アメリカ南部の大邸宅を思わせる本格リゾートホテル。館内はヨーロッパ風のインテリアで統一され、客室ごとに異なる家具にもこだわりを感じます。本館、別館、ギャラリー館があり、ギャラリー館の屋上からは久種湖(くしゅこ)やスコトン岬などの眺望が楽しめ、雲のない夜には星空を眺めながら贅沢なひとときが過ごせます。オーナー夫妻の自慢は壮大なパノラマで見る夕日の美しさ。夕食と日没が重なる時には、たとえ食事中でもお客さんを近くの夕日の丘へ案内するそう。宿には外風呂、内風呂の天然温泉があり、近隣で採った山菜、ウニや毛ガニなどの魚介をふんだんに使った自慢の豪華ディナーも大きな売りです。予約客には、1泊目の夕食時に特製オリジナルカクテルがサービスされます。ガイド歴14年のベテランガイドによるツアーも手配可能。フェリーターミナルまでの送迎バスもあります(要予約)。
基本情報
名称 礼文島プチホテル コリンシアン(5月~10月20日営業)
住所 〒097-1111 北海道礼文郡礼文町船泊字大備
連絡先 0163-87-3001
WEB 礼文島プチホテル コリンシアン公式サイト
3-3 ホテル礼文荘
久種湖畔キャンプ場に近い海岸沿いにある和室18室、45名収容の宿で、トレッキングの拠点にしたい人にはぴったり。散策ポイントまでの送迎やトレッキングガイドの手配(有料)、早朝出発や弁当の用意にも対応してくれて、ハイカーには心強い宿です。リーズナブルな料金かつシンプルなサービスの宿ながら、料理の食材は船泊湾で採れたウニ、ソイ、特大ボタンエビなど、新鮮な魚介を宿の主人が毎朝港で直接買い付けるこだわりぶり。産地ならではのピッチピチな海産物は、大きな魅力です。
基本情報
名称 ホテル礼文荘(5月~10月31日営業)
住所 〒097-1111 北海道礼文郡礼文町船泊村 字ウエンナイホ
連絡先 0163-87-2755
WEB ホテル礼文荘公式サイト
4.礼文島行ったら何する?
香深フェリーターミナル周辺は食事処、カフェ、土産店などが集中する地域です。名物のウニ丼やイクラ丼、ホッケのちゃんちゃん焼き、山盛りの魚介がのったご当地ラーメンなど、豊富な海の幸が堪能できます。
礼文島「海鮮処かふか」のうに丼
トレッキングやキャンプ後に汗を流せる温泉施設「うすゆきの湯」はフェリーターミナルから徒歩3分の場所。源泉かけ流しの湯でリフレッシュできます。
主な観光スポットへは車のほか、トレッキングで訪れる方法も。島内には「礼文トレイル」と呼ばれる全長約50キロメートルの自然歩道があり、数日をかけて人気スポットを巡るコースが整備されています。5段階のグレードがあり、初級者から上級者向けまで幅広いハイカーに対応しているのも魅力です。
ファミリーや初心者におすすめなのは北部の久種湖畔コース。湖を一周する全長約4.2キロメートルの遊歩道です。アオサギなどの渡り鳥やミズバショウなどが見られます。中級者向けには全長約13キロメートルの「岬めぐりコース」。島最北端のスコトン岬、礼文ブルーと呼ばれる透明度の高い海で有名な澄海岬などの人気スポットを回ります。春には礼文島にしか生息しないと言われるレブンアツモリソウの群生地も見どころ。
澄海(すかい)岬 画像提供:礼文はなガイドクラブ
南部のイチオシは桃岩展望台コース。利尻山を臨む西海岸の丘陵を歩く、全長約6.4キロメートルの美しいトレイルです。島内でも有数の高山植物群落をバックに写真撮影は欠かせません。帰りは「北のカナリアパーク」に立ち寄ってはいかがでしょうか。吉永小百合主演の映画『北のカナリアたち』の撮影用に建てた、情緒ある小学校の校舎が見学できます。
軽登山がしたい人には、標高490メートルの礼文岳を頂上まで歩く、往復約9キロメートルの礼文岳コースがあります。晴れた日には、山頂から360度の壮大なパノラマが楽しめます。キャンプ場は北と南に1カ所ずつ。久種湖畔キャンプ場と香深にある緑ヶ丘キャンプ場です。
5.礼文島内の交通手段
礼文島は南北に長く、香深港からスコトン岬までは25キロメートルあります。移動には車が便利ですが、路線バスは本数が少ないためレンタカーやレンタルバイクがおすすめです。島内の道幅は狭い箇所があり、日曜・祝日はガソリンスタンドがお休みなので注意が必要。運転に自信のない人は観光バスでの移動がいよいでしょう。ムダなく回るには、移動の心配がないパッケージツアーも検討の余地ありです。
5-1 路線バス
島内の定期路線バスは、宋谷バスが運行しています。香深フェリーターミナルと北部を行き来する「フェリーターミナル-スコトン」間(船泊方面と香深方面)は、平日は1日5本、休日は4本運行。船泊港やスコトン岬へはこのバスで行けます。同じくフェリーターミナルから南部の知床を回る「香深-知床-香深」間は、平日1日5本、休日は3本運行。礼文岳コースの出発地点、礼文林道元地口へ行く「香深-元地-香深」間は平日1日5本、休日は3本運行です。運賃は初乗り160円から最長のスコトン岬までは1,240円。礼文島内路線バスを対象としたお得な「一日乗車券」は、大人2,000円、小児1,000円。礼文営業所窓口または路線バス車内で購入できます。
5-2 定期観光バス
5月~9月には、主な観光地を巡る定期観光バスが運行しており、効率的に島内を回れます。2022年は礼文Aコース、礼文Bコースの2種類が運行されました。礼文Aコースは、スコトン岬や桃台・猫台など、南北の名所4カ所を回る3時間50分のコース。2時間25分の礼文Bコースは、北部の人気スポット澄海岬とスコトン岬の2カ所を回るショートコースです。料金は大人3,200円~3,400円/子人1,700円~1,800円。香深フェリーターミナル1F切符売場で購入できます。
宋谷バス株式会社
連絡先 0162-22-3114
WEB 宗谷バス公式サイト
5-3 レンタカー
島内をドライブしたい人は、レンタカーが借りられます。フェリーにマイカーを積んで運ぶと稚内-礼文島間で片道1万5,000円弱かかるので、現地で車を借りたほうがお得でしょう。礼文島にはニッポンレンタカーや礼文観光レンタカーなどがあります。
ニッポンレンタカー
連絡先 0163-89-6677
礼文観光レンタカー
連絡先 0163-86-1360
5-4 レンタルバイク/レンタサイクル
レンタルバイクや電動アシスト付自転車は、フェリーターミナル前にある「レンタルバイク CAT ROCK」で借りられます。島内の移動は車かバイクが基本ですが、宿周辺の散策などに電動アシスト付自転車があれば、サイクリングも楽しめますね。
レンタルバイク CAT ROCK
(5月~10月営業)
連絡先 090-7517-1095
5-5 タクシー/観光タクシー
島内では観光バスやパッケージツアーのほかに、観光タクシーも営業しています。観光バスに比べると割高ですが、同行者にご高齢の人がいる場合や好きな所をのんびり回りたい場合には良い選択肢ではないでしょうか。礼文ハイヤー、イシドウハイヤーがあります。コースや料金の打ち合わせ等は、直接問い合わせを。
有限会社礼文ハイヤー
連絡先 0163-86-1320
有限会社イシドウハイヤー
連絡先 0163-86-1148
6.人気シーズンを逃さぬよう、礼文島観光のプランニングはお早めに
礼文島・花ハイキング風景 画像提供:礼文はなガイドクラブ
島内めぐりをゆったりと楽しむには、北部と南部に1泊ずつ、2泊以上の滞在がおすすめです。春の観光シーズンには、人気の花ガイド付きツアーも始まります。ハイシーズンは予約がすぐに埋まってしまいますので、気になる宿が見つかったら早めに動いたほうが良いかもしれません。
とりっぷナビ編集部
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