世界文化遺産に登録された「姫路城」は、別名を「白鷺城」と言い、外観が美しいことで有名です。ここではそんな姫路城内の見どころポイントと、白鷺城が映えるフォトスポットを併せてご紹介します。
1. 姫路城の歴史・概要について
姫路城は1346(天平元)年に播磨(はりま)の有力者、赤松一族によって築城されました。1580(天正8)年に羽柴秀吉(豊臣秀吉)が入城したあとは、3層の天守とともに城下町を構築し、町が栄えました。現在の天守は、関ヶ原の戦いの戦功により城主となった池田輝政が1609(慶長14)年に完成させてものです。そんな姫路城の城内は迷路のようになっており、数々のトラップが施されているため、侵入しづらい鉄壁の城砦と言われています。1993(平成5)年には、古都奈良の文化財などとともに日本で初めてユネスコの世界遺産に登録され、2009(平成21)年から約5年半かけての「平成の大改修」を経て、2015(平成27)年に公開を再開しました。
姫路城は大天守のほかに3つの小天守があり、渡櫓で結ばれている「連立式天守」が完全な姿で残っています。大小天守と渡櫓の計8棟が国宝に、櫓や門など74棟が国の重要文化財に指定されており、城内のほとんどの建築物が文化財指定を受けている、ほかに類を見ない歴史的に価値が高い城です。
1-1 なぜ姫路城は白鷺城と呼ばれているのか?
屋根がいくつもあり、白塗りの外装が美しいと評判の姫路城は、別名「白鷺城」とも呼ばれています。その名前の由来は、白漆喰で塗られた真っ白な外観が、飛び立つ前の羽を広げた鷺の姿に似ているためと言われています。
基本情報
名称 姫路城
住所 姫路市本町68番地
連絡先 079-285-1146
WEB 姫路市公式サイト(姫路城)
2. 姫路城内の見どころポイント
姫路城が世界遺産に登録された理由の一つに、天守群を中心に櫓 、門、塀などの建築物の保存状態が非常に良好だったためと言われています。姫路城は戦災や火災に遭うことがなく、ほとんどの建物が築城時のままの姿で残っています。そのため城内は見どころが多く、有料区域全域(天守群+西の丸)を見て回るだけでも、通常は約1時間30分~2時間ほどかかります。
また城内の展示はスマートフォン・タブレットを用いた、AR(拡張現実)やCG(コンビューターグラフィックス)を活用しているスポットもあるので、事前にホームページから「姫路城大発見アプリ」を端末にダウンロードしておくと、動画や写真と共に詳しい解説が楽しめます。
2-1 大天守
天守台の東南隅に位置し、外観5重、内部は地下1階から地上6階の構造になっている大天守。姫路城の中でもひときわ高い31.5メートルの大天守の最上階の大棟両端には、しゃちほこと呼ばれている一対の大鯱瓦が飾られていて、屋根は千鳥破風(ちどりはふ)・大千鳥破風(おおちどりはふ)・唐破風(からはふ)が美しく組み合わされています。
2-2 乾小天守
東小天守、西小天守、乾(いぬい)小天守の中で、西北隅(乾の方角)に位置する乾小天守は、外観3層・内部は地下1階から地上4階の造りになっています。小天守の中では、乾小天守が一番大きいので、見つけやすいでしょう。
2-3 菱の門
有料区域のゲートの先、二の丸の入り口にある「菱の門」は、安土桃山時代の様式を残し、櫓(やぐら)門と呼ばれる型式になっています。両柱の上の冠木(かぶき)に木彫りの「菱の紋」があるところから、この名前が付けられたという説も。そんな菱の門は、城内で一番大きい門です。
2-4 帯の櫓
「帯の櫓」は城内で一番高い、約23メートルの石垣の上にあります。櫓の内部には、湯気抜きの簀子(すのこ)などがあるため、茶の席で使われたのではないかと言われています。
2-5 西の丸長局(百間廊下)
徳川家康の孫娘、千姫も姫路城に約10年住んでいました。千姫は江戸幕府第2代将軍の父・徳川秀忠と、母・浅井長政の三女・江(ごう)の間に生まれ、初めに豊臣秀頼、大阪の陣で秀頼が没した後は本多忠刻(ほんだただとき)の正室となり、忠刻とともにこの城に入りました。千姫に仕えた侍女たちが暮らした西の丸長局(ながつぼね)は別名を百間廊下といい、千姫は毎朝この廊下から見える男山を拝んでいたと伝えられています。
2-6 化粧櫓
男山を拝んでいた千姫が、休息所としたのが化粧櫓(けしょうやぐら)です。この部屋は千姫の化粧料(持参金)で造られたと言われていて、桃山書院造りの畳敷きになっています。千姫は約10年間、姫路で過ごし本多忠刻のとの間に一男一女をもうけました。
2-7 扇の勾配
石垣の勾配が下は緩やかで、上に行くほど急になっている石垣のことを、開いた扇の形に例えて「扇の勾配」と呼びます。敵の侵入を防ぐための工夫だと言われています。
2-8 西の丸
千姫と、本多忠刻が過ごすための御殿が築かれていた西の丸。ここは映画や、テレビの撮影にもよく使われている場所なので、見おぼえのある人もいるのではないでしょうか。
2-9 るの門
石垣をくり抜いて作られた狭い門は、孔門または埋門(うずみもん)と呼ばれる形式になっています。天守への近道になっているこの門は、もし敵が侵入した場合でも数人しか通れないため、門の向こうで敵を待ち構え、次々に討ち取っていく仕掛けになっています。
2-10 お菊井戸
怪談『播州皿屋敷』のヒロインお菊が責め殺されて投げ込まれたと言われる井戸は、もとは「釣瓶取(つるべとり)井戸」と呼ばれていました。
3. 姫路城が映えるフォトスポット6選
姫路城の周辺には高い建物があまりないため、姫路駅や街なかから天守を見ることができ、色々な角度で撮影できるフォトスポットが存在します。そんな白鷺城が映える場所を紹介します。
3-1 JR姫路駅(キャッスルビューより)
姫路駅の北駅前広場に整備された展望施設「キャッスルビュー」は、姫路城の大天守を正面から眺めることができます。もちろんデッキから姫路城を撮影するのも迫力があっていいのですが、少し変わった写真を撮りたい人は、姫路駅の在来線ホームに行ってみましょう。展望施設の壁面がちょうど額縁のフレームのように見え、その中に姫路城を入れて撮ることができます。
基本情報
名称 キャッスルビュー
住所 JR姫路駅北駅前広場
連絡先 079-221-2595
WEB 姫路市公式サイト(キャッスルビュー説明部分)
3-2 イーグレひめじ(屋上から)
JR姫路駅から徒歩約15分のところにある「イーグレひめじ」は、大手前公園に隣接する総合施設です。館内には国際交流センター、コミュニティFM局、ギャラリー、レストランなどが入っていますが、ここの屋上は正面に姫路城が見えるので絶好の撮影ポイントです。無料開放されている屋上から城を眺めた後は、他の階で食事やショッピングも楽しめるので、休憩所としても利用できます。
基本情報
名称 イーグレひめじ
住所 姫路市本町68-290
連絡先 079-289-3443(イーグレひめじ総合案内)
WEB イーグレひめじ公式サイト
3-3 城見台公園
「城見台公園」から見る姫路城は、市民が選ぶ「世界遺産姫路城十景」にも選ばれました。緑の向こう側に佇む姫路城は、まさに森の中から飛び立とうとする白鷺の姿のようで、絵になります。大天守の原寸大の鯱瓦が展示されているので、低いアングルで二つの鯱の真ん中にお城が入るような構図にすると、この公園でしか撮れない写真が楽しめます。
基本情報
名称 城見台公園
住所 姫路市本町68
連絡先 079-284-5685
WEB 姫路市公式サイト(城見台公園)
3-4 姫路市立美術館
旧陸軍が兵器庫として使用していたレンガ造りの「姫路市立美術館」。その左奥に鎮座する姫路城も、趣があります。ここで撮影する時はカラー写真だけでなく、白黒モードに切り替えての撮影にも挑戦してみてください。国の登録有形文化財の歴史ある建物は、モノトーンにするとさらに重厚な雰囲気になって時代を感じます。
基本情報
名称 姫路市立美術館
住所 兵庫県姫路市本町68-25
連絡先 079-222-2288
WEB 姫路市立美術館公式サイト
3-5 シロトピア記念公園
「シロトピア記念公園 」は1989(平成元)年に市政100周年を記念して開催された「姫路百祭シロトピア」のメインイベント会場の跡地を整備した公園です。園内には約1.2ヘクタールの芝生広場、ふれあい広場、花の丘などがあり、野外ステージからはお城の北側に当たる東小天守と乾小天守をつなぐ「口の渡櫓(わたりやぐら)」を見ることができます。昼間は逆光なので、写真を撮るなら朝か夕方に訪れるのがおすすめです。
基本情報
名称 シロトピア記念公園
住所 姫路市本町68
連絡先 079-284-5685
WEB 姫路市公式サイト(シロトピア記念公園)
3-6 男山配水池公園
体力と足腰に自信があるなら、男山の山頂にある「男山配水池公園」を目指してみましょう。198段の階段は難所ですが、その先に見える姫路城は、大天守、西小天守、乾小天守、東小天守のすべてが同時に眺望できて絶景です。「世界遺産姫路城十景 」にも選ばれたこの場所は、市民も推すフォトスポット。男山の中腹には、千姫が本多家の繁栄を願って建立した男山千姫天満宮があります。西の丸長局の廊下から、千姫はこの天満宮に向かって朝と夕、遙拝したという逸話も残っています。
基本情報
名称 男山配水池公園
住所 姫路市山野井町37-3
連絡先 079-221-2540(姫路市役所都市局)
WEB 姫路市公式サイト(男山配水池公園)
4. 世界遺産の姫路城を巡るなら、バスツアーがおすすめ
戦災や火災に遭わず、築城当時の面影を残している姫路城。2015(平成27)年には平成の大改修が終わり、美しくなった白鷺城を写真に収められます 。しかし姫路城の見学は人気のため、混雑時は待ち時間も発生します。姫路城をたっぷりと満喫したい方は、自分好みに時間をアレンジして訪れるフリープランか、、ガイド付きで時間をかけて見学できる日本百名城をテーマにしたツアーがおすすめです。
とりっぷナビ編集部
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