空気が澄んできれいな冬場は、全国各地で色とりどりの鮮やかなイルミネーションが多くの見物客を集めます。今回はおすすめのイルミネーションの名所や楽しみ方のポイントなどを紹介します。
1. イルミネーションの魅力とは?
イルミネーションとは英語で「照明」の意味です。それが転じて、電球などを使って建物や樹木などに飾り付けをすることを指すようになりました。空気がきれいで湿度が低く、光がクリアに見える冬期は、各地で盛んに行われ、「冬の風物詩」として人気を集めています。
冬はクリスマスや年末年始に多くのイベントが行われる季節でもあり、見物人の気分を高める効果もあります。同じように光を使った演出に、照明を建物などに当てて浮かび上がらせる「ライトアップ」やパソコンで作成したCG(コンピューターグラフィックス)を建造物などに映し出す「プロジェクションマッピング」があります。これに対し、イルミネーションは建造物や植物などにじかに飾り付けるので、対象物の姿・形をより美しく見せることができるのが特長です。多くの色彩を使うことができるため、見た目もよりカラフルで華やかになります。
2. イルミネーションはどんな場所で見られるの?
イルミネーションの起源は、欧米の各家庭でクリスマスシーズンにモミの木に飾り付けをしたことにあると言われています。それが進化して、広場に運んできたモミの木や街路樹に電飾を施し、町をあげてクリスマスシーズンを華やかに盛り上げるようになりました。日本でもその風習が明治時代に輸入され、博覧会などのイベントでイルミネーションが行われました。現代では、人が多く集まるメーンストリートや商業施設をはじめ、テーマパークや遊園地、公園などの観光施設でもウィンターシーズンの集客にイルミネーションが一役買っています。さらに、冬期以外でも、夜間に華やかなムードを演出するため、イルミネーションを活用する施設も多く見られるようになってきました。
3. イルミネーションの楽しみ方は?
3-1 見て楽しむ
華やかなイルミネーションは、何と言っても見るだけで気分が高まり、冬の寒さを忘れさせてくれる効果があります。イルミネーションにはかつては白熱電球が多く使われていましたが、現在は発光ダイオード(LED)が主流になっています。LEDは色彩が豊富で、点滅など演出面の工夫もしやすく、多様な装飾が可能になります。
3-2 撮って楽しむ
美しいイルミネーションは、目で見て記憶に残すだけでなく、写真や動画に記録したくなるものです。いわゆる「写真映え」という魅力があります。一眼レフなどの専門的なデジタルカメラでなくても、スマートフォンもカメラ機能がよくなり、かなりきれいな写真が撮れるようになっています。撮影場所や構図などを工夫し、ナイスショットをものにしましょう。
3-3 参加して楽しむ
イルミネーションを生かしたイベントも各地で開催されています。華やかなショーやクリスマスマーケット、アイススケートなどウィンタースポーツを体験できる企画もあります。フードエリアでは、体を温めてくれるご当地グルメを味わえます。
4. おすすめのイルミネーション8選
北から南まで全国各地でイルミネーションは見られますが、その中から8か所のおすすめスポットやイベントを紹介します。
4-1 さっぽろホワイトイルミネーション(北海道札幌市)
道都・札幌の冬を彩るイルミネーションイベントとして、1981年に始まりました。第44回は2024年11月22日~25年3月14日に、メーンの大通公園や札幌駅南口広場など5会場で行われます。夕方から夜にかけて、雪の結晶のオブジェや木々が色とりどりのLEDで装飾され、ファンタジーの世界が広がります。11月22日~12月25日には、札幌の姉妹都市ドイツ・ミュンヘンを紹介する「ミュンヘン・クリスマス市」も開かれ、ドイツのクリスマス料理とビール、ホットワインなどが味わえます。
4-2 小樽 青の運河(北海道小樽市)
小樽 青の運河のナイトクルーズに乗船すると、水面から両岸のイルミネーションを眺められ、また趣の違った景色を楽しめます。
基本情報
おたるぽーたる(小樽観光協会)
4-3 はこだてクリスマスファンタジー(北海道函館市)
道南の観光都市・函館で開催される冬のイベント。赤レンガ倉庫群前で、11月30日~12月25日に開催されます。巨大なクリスマスツリーに鮮やかな電飾が施され、18時には花火も打ち上げられます。同じく函館市の五稜郭では「五稜星の夢イルミネーション」が24年12月1日~25年2月28日に行われ、こちらも多くの観光客でにぎいます。
基本情報
はこだてクリスマスファンタジー公式サイト
4-4 SENDAI光のページェント(宮城県仙台市)
杜の都・仙台の冬の一大イベントで、1986年から行われています。2024年は12月6日~25日に開催されます。定禅寺通りの115本のケヤキ並木が、約45万個のLEDで光り輝き、大勢の見物客が訪れます。今年はふるさと納税を活用したクラウドファンディングを実施し、開催経費に充てています。
基本情報
SENDAI光のページェント公式サイト
4-5 あしかがフラワーパーク 光の花の庭(栃木県足利市)
足利市のあしかがフラワーパークの園内に約500万個を超えるLEDなどのイルミネーションを施し、今年は10月18日~25年2月16日に開催。さっぽろホワイトイルミネーション、ハウステンボス光の王国と並び、日本三大イルミネーションに挙げられています。シンボルとして知られる「奇蹟の大藤」をイメージした電飾など独自色のある演出は見ごたえ十分です。
基本情報
あしかがフラワーパーク公式サイト
4-6 伊豆高原グランイルミ(静岡県伊東市)
伊東市の伊豆ぐらんぱる公園で2015年に始まり、10回目を迎える今回は、24年11月9日~25年8月31日まで開催される予定です。往復400メートルのレールでイルミネーションの上を滑空するジップライン「流星~RYUSEI」やライトアップされた恐竜がすむエリアをゴーカートで駆け抜ける「ディノエイジカート」など多彩なイルミネーションを満喫できる夜のアトラクションも充実しています。
基本情報
伊豆ぐらんぱる公園公式サイト
4-7 なばなの里イルミネーション(三重県桑名市)
桑名市の観光施設・なばなの里で24年10月19日~25年6月1日に開催されています。高さ約35メートルの「名峰富士」、木曽三川をモチーフにした「光の大河」、長さ約200メートルの光のトンネル「華回廊」など光のスポットが競うように輝きを放っています。
基本情報
なばなの里公式サイト
4-8 ハウステンボス 光の王国(長崎県佐世保市)
佐世保市のハウステンボスでは、通年で楽しめるイルミネーションスポット「光の王国」が人気。冬は「ヨーロピアン・ホーリー・クリスマス」(24年は11月8日~25年1月6日)が開催されます。高さ15メートルのツリーやアーチが電飾に彩られ、きらびやかな馬車が走る景色は壮観です。クリスマスマーケットではグルメやショッピングを楽しめます。
基本情報
ハウステンボス公式サイト
5. イルミネーション見物の服装や持ち物は?
イルミネーションは寒さが厳しいウィンターシーズンの夜間に行われ、会場もほとんどが屋外なので、防寒対策はしっかりとって出かけましょう。厚手のコートを羽織り、マフラーや帽子、手袋を身に着け、携帯カイロもおすすめです。会場内を歩き回るため、靴は履き慣れたものがよさそうです。写真撮影にスマートフォンを使う場合は、人混みの中でも高い位置で撮れるように、自撮り棒を持っていくと便利です。たくさん撮るとバッテリーの消耗も早いので、モバイルバッテリーがあるとよいでしょう。
6.イルミネーション見物の注意点は?
イルミネーションは自治体が公園などの公共施設で開催するものだけでなく、民間の観光施設などで行われるものもあります。入場料がかかる場合があるので、事前によくチェックしておきましょう。ツアーに参加すれば必要な手配もされているので安心して楽しめるでしょう。
とりっぷナビ編集部
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