
山口県萩市は世界遺産に登録された歴史が息づく街です。幕末に活躍した多くの偉人を輩出し、今でも当時の息遣いを感じられる人気の観光地。今回は萩市のおすすめ観光スポットを中心に詳しくご紹介します。
1. 幕末の情緒満載!歴史を感じる街「萩市」
山口県北部に位置する萩市は、江戸末期の空気を今も感じられる情緒あふれる街です。歴史の授業で習った、吉田松陰をはじめ高杉晋作、木戸孝允、伊藤博文など、明治維新のキーマンとなった多くの偉人たちの故郷。この地から近代日本は産声を上げたと言っても過言ではありません。それを証明する関連史跡も数多く残っています。明治期の発展を支えた施設の跡など5か所が世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」に登録されています。
また、萩市は「江戸時代の古地図が使える街」と言われるほど、当時の街並みをそのまま残しています。激動の歴史の舞台になった街を、当時の古地図を頼りに散策を楽しめてしまうの萩市の魅力です。
2.幕末~明治の世界へ!萩市が誇る5つの世界遺産
2-1 武家屋敷街をそぞろ歩き「萩城下町」

江戸時代、長州藩の中心地だったのが「萩城下町」です。1604年に毛利輝元が萩城を築いてから城下町としてにぎわいました。町割りや街路は現在もそのまま残っています。
江戸の伝統と身分制、当時の地域社会をよく示していることが評価され、城跡・旧上級武家地・旧町人地の3地区が「萩城下町」として世界遺産に登録されました。武家屋敷や町家が多く残っており、そぞろ歩きするだけでも風情があり、タイムスリップしたような気分を味わえます。
基本情報
名称 萩城下町
住所 山口県萩市南古萩町付近
連絡先 0838-25-3139
WEB おいでませ山口へ(山口県観光サイト)
2-2 産業革命の力強さを感じる「萩反射炉」

江戸時代末期に、長州藩は海外からの脅威に備え海防強化をはかりました。西洋式の鉄製大砲の鋳造に必要な、反射炉の建設に着手したのです。佐賀藩の反射炉のスケッチをもとに、試作的に築かれたのがこの「萩反射炉」です。
高さ10.5mの煙突に当たる部分が残っており、反射炉の遺構が残っているのは静岡県の韮山(にらやま)、鹿児島県の旧集成館と萩市の3か所のみで非常に貴重な遺構と考えられます。幕末から明治期の鋳造技術を今に伝える遺構として世界遺産に登録されました。すぐ近くを山陰本線が通っており、タイミングが良ければ一両編成の電車と世界遺産の記念写真を撮ることもできます。
基本情報
名称 萩反射炉
住所 山口県萩市椿東4897-7
連絡先 0838-25-3380
WEB 萩市公式サイト
2-3 歴史に名を残す偉人を輩出した「松下村塾」

維新で活躍した長州藩の多くの志士たちの指導者、吉田松陰が主宰した私塾が「松下村塾」です。当時、この地域が松本村という地名だったことから「松下村塾」と名付けられました。松陰は身分や階級にかかわらず塾生を受け入れ、教え子には高杉晋作、伊藤博文、山県有朋、久坂玄瑞など幕末に活躍した名だたる偉人が名を連ねます。
松陰は講義よりも討論を重視し、教え子たちを志のある人物に育てました。明治期の日本を支えた、多くの偉人が集った歴史的価値のある私塾という点が認められ、世界遺産に登録されています。
基本情報
名称 松下村塾
住所 山口県萩市椿東1537
連絡先 0838-22-4643
WEB 松陰神社公式サイト
2-4 幕末に思いを馳せる「恵美須ヶ鼻造船所跡」
長州藩が幕府の命を受け、1853年に建設した造船所の遺跡が「恵美須ヶ鼻造船所跡」です。ここではロシアの技術を取り入れた「丙辰丸(へいしんまる)」、オランダの技術を用いた「庚申丸(こうしんまる)」という2隻の西洋式帆船を建造。ロシアとオランダという2国の異なる技術による造船が一か所で行われたという例はほかになく、貴重な遺構として世界遺産に登録されています。
現在残っているのは下遺構と石造りの防波堤のみですが、海と石垣が織りなす風景はとてもフォトジェニック。幕末の熱気を感じられる遺構です。
基本情報
名称 恵美須ヶ鼻造船所跡
住所 山口県萩市椿東字小畑浦
連絡先 0838-25-3139
WEB 萩市公式サイト
2-5 明治期の発展を支えた「大板山たたら製鉄遺跡」

日本の伝統的な製鉄方法であるたたら製鉄の遺跡である「大板山たたら製鉄遺跡」。「たたら」とは、木炭を燃焼させて「ふいご」と呼ばれる装置で熱風を送り砂鉄を溶かし、鉄を作る製法です。
恵美須ヶ鼻造船所で造船された「丙辰丸」にも、ここで作られた鉄が使用されたことが確認されています。江戸時代から明治初期まで操業され、砂鉄掛け取り場や鍛冶屋など、主要な施設跡がそのまま残っています。明治初期の産業を支えた場として世界遺産に登録されました。
基本情報
名称 大板山たたら製鉄遺跡
住所 山口県萩市大字紫福大板257-1
連絡先 0838-25-3380
3.萩市で歴史ロマンを感じるおすすめ観光スポット
3-1 城下町の目玉「萩城跡指月公園」

世界遺産「萩城下町」の中でも外せない観光地が「萩城跡指月公園」です。敷地面積は約20万㎡もある広大な公園です。春には約600本の桜が一斉に咲き誇り、人々の憩いの場になっています。
萩城は指月山のふもとにあることから、別名指月城とも呼ばれました。かつて、本丸には高さ14mを超える5層の天守閣がありましたが、現在は天守閣跡として石垣が現存しています。石垣は毎晩ライトアップされており、お堀に映える美しい姿を見ることもできます。
基本情報
名称 萩城跡指月公園
住所 山口県萩市堀内1-1
連絡先 0838-25-1826
WEB 萩市観光協会公式サイト
3-2 萩市観光の拠点「萩・明倫学舎」

長州藩の教育や人材育成の中枢を担い、多くの偉人を輩出した藩校明倫館。その跡地に建設された、旧明倫小学校の学舎をそのまま利用しているのが「萩・明倫学舎」です。現在は展示室やレストラン、お土産屋さんなどのショップが入り、萩市の観光の拠点となっています。
明倫学舎本館は、国の登録有形文化財に登録されており、建物としての見ごたえも十分。白漆喰の美しさや、屋根や窓の意匠も特徴的で、モダニズムの片鱗もうかがうことができます。
基本情報
名称 萩・明倫学舎
住所 山口県萩市江向602
連絡先 0838-21-0304
WEB 萩市公式サイト
3-3 維新三傑のひとりの生誕地「木戸孝允旧宅」

薩長同盟を結び、明治維新を先導した西郷隆盛・大久保利通とともに「維新の三傑」のひとりである木戸孝允。その生誕地も萩市です。「木戸孝允旧宅」は木造瓦葺(かわらぶき)の2階建て。藩医だった和田昌景の屋敷で、孝允はその長男として生誕。のちに藩士の桂家の養子となり、桂小五郎の名でも知られています。
中を見学することができ、手習いの書を表装した掛け軸や写真など、ゆかりの品々が展示されています。ボランティアガイドも常駐しているため、歴史を詳しく教えてくれますよ。
基本情報
名称 木戸孝允旧宅
住所 山口県萩市呉服町2-37
連絡先 0838-25-3139
WEB 萩市観光協会公式サイト
3-4 美しく神秘的な雰囲気ただよう「明神池」

大小3つの池からなる「明神池」は、日本でも珍しい海水の池です。マダイやエイ、スズキなどさまざまな魚を見ることができ、天然の水族館とも呼ばれます。池は岩の隙間から海とつながっているため、満ち引きに応じて池の水も増減します。
萩藩2代藩主・毛利綱広が安芸の厳島明神を勧請(かんじょう)しており、池の北側には弁財天が祀られています。漁の安全や豊漁、商売繁盛にご利益のあるパワースポットです。
基本情報
名称 明神池
住所 山口県萩市椿東
連絡先 0838-25-3139
WEB 萩市観光協会公式サイト
3-5 日本海直結!海の幸満載「萩しーまーと」

萩漁港のすぐ裏手にある、活気あふれる市場を体験できる道の駅「萩しーまーと」。ウニやアマダイなど高級食材も地元価格で購入することができ、一夜干しや海産物の加工品などのお土産を買うのにもぴったりです。
特に人気なのが旬の魚介を味わえるレストラン。海鮮丼やお寿司など新鮮な海産物をおなか一杯いただけます。河津桜が有名な親水公園に隣接しているので、散策の疲れを癒すのにもベストです。
基本情報
名称 萩しーまーと
住所 山口県萩市椿東北前小畑4160-61
連絡先 0838-24-4937
WEB 萩しーまーと公式サイト
4.歴史が息づく萩市を楽しく観光しよう
萩市は江戸情緒が残る城下町や、偉人たちの息遣いを感じられる史跡が多く残るまちです。世界遺産だけでなく、市内を歩くだけでも歴史ロマンを感じられます。この他にも日本海の絶景や絶品グルメなど魅力がたくさん。萩市を観光するときは、ぜひ読売旅行のツアーをご検討ください!
とりっぷナビ編集部
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