青森と秋田県境の十和田湖から焼山(やけやま)まで流れる奥入瀬渓流(おいらせけいりゅう)は、新緑や紅葉など四季折々の景観が楽しめるスポットとして有名な場所です。そんな奥入瀬渓流の魅力3選と行く際の服装や持ち物などをアクセス方法とあわせてご紹介します。
1. 奥入瀬渓流はこんなところ
奥入瀬渓流は、青森県十和田市の十和田湖東岸の子ノ口(ねのくち)から焼山まで約14キロにわたる奥入瀬川の渓流です。十和田八幡平国立公園を代表する景勝地で、現在は国の特別名勝、天然記念物として保護されています。
奥入瀬渓流は上流側で標高約400メートル、下流側で標高約200メートルの場所に位置する勾配が穏やかな渓流で、渓流沿いに遊歩道が整備されているので、流れる川を眺めながら楽しく散歩できます。十和田湖畔の子ノ口バス停や途中の奥入瀬湧水館で電動アシスト自転車をレンタルして回ることもできます。小さな子どもから年配の方までどんな人でも気軽に楽しめる観光スポットです。
また、十和田湖畔を巡る遊覧船もあるため、湖上から四季折々の風景を楽しめますよ。
基本情報
名称 奥入瀬渓流
住所 青森県十和田市奥瀬60(駐車場3か所あり)
連絡先 0176-75-2425(十和田湖国立公園協会)
WEB (社)十和田湖国立公園協会
2. 四季折々の奥入瀬渓流
■春~夏
周りをトチノキやカツラなどの木々に囲まれた奥入瀬渓流は、春夏秋冬で違った楽しみ方ができるのが魅力です。
雪解け水により渓流の水かさが増し、地面からは雪をかき分けるようにフキノトウが顔を出します。5月半ばになるとさまざまな植物が芽吹き、まだまだ肌寒いものの自然の息吹を感じることのできる季節となります。
5月下旬~6月上旬は新緑のベストシーズンとしてたくさんの観光客が訪れます。
写真などで皆さんが目にすることが多いのは夏の奥入瀬渓流でしょう。一面草木に覆われ、鮮やかな緑に囲まれます。木々が日差しをカットしてくれるため、涼しく過ごせるのがうれしいポイントです。木漏れ日を浴び、清流のせせらぎを聞き、植物や土のにおいを感じながら、五感で奥入瀬渓流を楽しめます。
■秋
青々としていた木々が9月に入ると徐々に赤や黄色に色づき、朝晩の冷え込みで一気に紅葉が進みます。例年10月下旬~11月下旬には、奥入瀬渓流は紅葉を見に訪れる観光客で活気づきます。散策路や車道は紅葉のトンネルとなり、夏とは異なった楽しみ方ができます。もちろん赤く色づいた山々を遠くから眺める紅葉もいいですが、下から木々を見上げる紅葉を体感してみてはいかがでしょうか。
■冬
紅葉が終わり木々から葉が落ちると、冬の足音が聞こえる時期となります。山奥は雪が積もり、滝は凍って一面、銀世界が広がります。冬は奥入瀬渓流沿いの遊歩道が閉鎖されるため、中に入ることはできませんが、国道は除雪されているため、車で名所を回ることは可能です。ただし、車を停めて写真を撮る時は、走行車両の邪魔にならないように注意しましょう。
3. 奥入瀬渓流の魅力3選!
約14キロにも及ぶ奥入瀬渓流は、さまざまな名所があります。ここでは奥入瀬渓流の名所を厳選して3つ紹介します。
3-1 阿修羅(あしゅら)の流れ
阿修羅の流れは、奥入瀬渓流を代表する絶景スポットです。過去にはポスターやCMが撮影されたことがある有名スポットなので、ご存じの方も多いのではないでしょうか? 奥入瀬渓流に行ったらぜひ訪れたい場所の一つです。川の水の流れはとても激しく、岩にぶつかりながら豪快に流れる様子は迫力満点ですよ。
3-2 銚子大滝(ちょうしおおたき)
銚子大滝は、奥入瀬渓流本流にかかる唯一の滝です。落差7メートル、幅20メートルもある大きな滝のため、魚止めの滝とも呼ばれ、「十和田湖は魚がいない湖」と言われてきました。大量の水が大迫力で流れ落ちる銚子大滝は、そのダイナミックさで季節を問わず人々を魅了しています。
3-3 三乱(さみだれ)の流れ
三乱の流れは、緩やかな流れが特徴の渓流です。三乱の流れという名前は、3つに分かれた渓流が1つに合流し白波を立てて流れることから付けられました。川に点在する岩はほとんどが苔(こけ)で覆われており、緑色となっていますが、5月下旬には岩にツツジが咲き、いつもと違った景色を写真に収めようと、多くの観光客が訪れます。
4. 奥入瀬渓流へ行くときの服装や持ち物
奥入瀬渓流は遊歩道があり道も平坦で歩きやすいのですが、緑に囲まれた森の中なので虫刺されに要注意です。奥入瀬渓流を散策するなら、長袖長ズボン姿と、汚れてもいい歩きやすい靴で行きましょう。そのほかにも、虫除けスプレーや熊よけの鈴、タオル、帽子などを持っていくのがおすすめです。
奥入瀬渓流には自動販売機や売店を設置しているところが少ないため、水分補給のための水やお茶は歩き出す前に用意していきましょう。
5. 青森空港から奥入瀬渓流へのアクセス方法一覧
奥入瀬渓流へのアクセス方法は主に3つです。ここではそれぞれのアクセス方法について詳しく解説していきます。
5-1 飛行機+レンタカーでのアクセス
青森には青森空港と三沢空港の2つの空港があり、奥入瀬渓流館へ車で行く場合はどちらの空港からも1時間~1時間30分で到着します。青森空港にはレンタカー会社がいくつもあるので、奥入瀬渓流の絶景スポットを効率よく回りたい場合は、車で行くのがおすすめです。三沢空港にはバス停がないため、レンタカーを借りる必要があります。東京から青森空港、三沢空港へは1時間20分~30分です。
奥入瀬渓流には十和田湖合流地点(子ノ口)と奥入瀬渓流館(焼山付近)、中間地点の石ヶ戸休憩所の3か所に広い駐車場があるほか、名所付近に車数台が停められる小さな駐車場もあるため、車なら3時間30分ほどで名所を回れますよ。
5-2 飛行機+バスでのアクセス
青森空港からは青森駅まで路線バスが出ていて、そこからJRバスに乗り換え、「焼山バス停」へ向かいます。青森空港からの所要時間は約2時間40分です。三沢空港にはバスは停まりません。
5-3 新幹線+バスでのアクセス【免許がない人にオススメ!】
東北新幹線の最寄り駅は、新青森駅、七戸十和田駅、八戸駅です。東京からそれぞれの駅までの所要時間は3時間前後です。新青森駅と八戸駅からはJRバスが出ており、七戸十和田駅からは七戸十和田奥入瀬シャトルバスが出ています(※七戸十和田奥入瀬シャトルバスは令和5年度は運休/2023年11月13日現在の情報)。
新青森駅から「焼山バス停」まではバス約2時間10分(冬期運休)、八戸駅から「子ノ口バス停」まではバス約2時間(イベント時を除く冬期運休)、七戸十和田駅からはシャトルバス約1時間(※令和5年度は運休)で到着します。
5-4 新幹線+レンタカーでのアクセス
新青森駅前か八戸駅前でレンタカーを借りる方法もあります。新青森駅から奥入瀬渓流館まで、八戸駅から子ノ口まで、いずれも1時間~1時間30分で到着します。なお、冬季は路面凍結で道路が通行止めになることもあるので気をつけましょう。
6. 奥入瀬渓流を効率よく楽しむにはツアーがおすすめ
奥入瀬渓流は比較的アクセス良好な観光スポットではありますが、車を持っていない人や運転に不安のある人はバスやバスツアーなどで観光するのがおすすめです。
読売旅行では、奥入瀬渓流だけでなく青森県の観光や、北東北をぐるっと回るツアーもご用意しております。青森県には奥入瀬渓流以外にも「黄金崎不老ふ死温泉」や「酸ヶ湯温泉」など心も身体も休まる秘湯がたくさんあります。せっかく行くなら、青森県の素敵なところすべてを巡るバスツアーを体験されてみてはいかがでしょうか。
とりっぷナビ編集部
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